本場の人気ビストロが続々「フードフランス ビストロ」(1/4 ページ)

» 2010年07月26日 14時00分 公開
[松浦明,エキサイトイズム]
エキサイトイズム

エキサイトイズムとは?

「高い美意識と審美眼を持ち、本物を知った30代男性」に向けたライフスタイルのクオリティアップを提案する、インターネットメディアです。アート、デザイン、インテリアといった知的男性の好奇心、美意識に訴えるテーマを中心に情報発信しています。2002年11月スタート。

※この記事は、エキサイトイズムより転載しています。


 フランスでの空前のブームが日本に飛び火して以降、もはや“ブーム”とはいえないほど、わたしたちの生活に密着しはじめたビストロカルチャー。肩肘張らずに美味しいワインと料理が楽しめる店=ビストロは、いまや西も東も百花繚乱だ。そうしたいまのフードカルチャーをひも解くべく、“ビストロ”をテーマにしたイベント「フードフランス ビストロ」が、東京・青山の「ブノワ(BENOIT)」などで開催中だ。

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 このイベントは、フランス料理界をの代表する料理人、アラン・デュカス氏の発案によって企画された「フードフランス」のビストロ版として立ち上がった新プロジェクト。本場フランスで高い評価を得ている6軒のビストロを、それぞれ期間限定で東京の「ブノワ」と大阪の「ル・コントワール・ド・ブノワ」に招聘するもので、“フランスのいまのビストロ事情”を語る上では外せない有名店が、日本に居ながらにして体験できる大変貴重な機会といえる。

 今回はアラン・デュカス氏より、同プロジェクトの「ビストロ親善大使」に任命された狐野扶実子氏に、ビストロの魅力と、“フランスの今のビストロ事情”、そして今回デュカス氏によって選ばれたビストロ6軒それぞれの魅力ついて話を聞いた。

まずは今回の6軒のラインアップについてですが?

 今回はフランスのさまざまな地域から、昔ながらの老舗系のビストロと、いま話題の“ビストロ・ヌーヴォー”と呼ばれる新店がまんべんなく選ばれていて、とてもバリエーションが豊かという印象です。いずれも、今日のビストロ事情を理解するうえで必要不可欠な6軒だと思います。

エキサイトイズム 狐野扶実子氏

フランス本国では引き続きビストロブームが続いていますが、現地で支持されている店にはどんな特徴があると思いますか?

 もちろん料理が美味しいことが大前提ですが、それに加えて、居心地の良さと、ギャルソンの気さくなサービス、この3つの要素のバランスが重要なポイントだと思います。高級レストランの堅苦しさよりも、とにかく自分がその店に居て心からくつろげることや、気楽な雰囲気のなかで楽しく食事ができることなどが、人気のビストロに共通する特徴ではないでしょうか。

フランスと日本のビストロの違いを挙げるとしたらなんでしょうか?

 フランスにおいて、ビストロはそのものの歴史が古い分、フランス人の日常生活にものすごく密着した存在です。対する日本においては、まだビストロ文化はそこまで密着しているとはいえません。ただし、双方とも「美味しい料理を手頃な価格で提供したい」という想いは共通していると思いますし、日本にもパリのビストロで食べているのと同じように素晴らしい煮込み料理を出している店もあります。フランスに劣らず、ましてやもっと良かったりすることもあったりして、料理のレベルにはもはや大きな差はないように感じています。

狐野さんのスペシャリテとしても有名なビストロの定番料理「ウフ・マヨネーズ」は、パリのビストロには欠かせないメニューですが、日本のビストロではなかなか見かけない料理ですよね?

 「ウフ・マヨネーズ」はゆで卵にマヨネーズを添えただけのシンプルな料理ですが、フランスのビストロでは超定番前菜。卵のゆで具合だったり、自家製マヨネーズの風味だったり、このひと品をどのように供するかでお店のこだわり具合が分かるという、ある種の指標にもなっている料理です。

 シンプルゆえに、お店の質がはっきりと出ますよね。でも日本では、“卵にマヨネーズ”を料理として提供するのは「お客さまに対して失礼なんじゃないか?」という感覚があるのかもしれませんね。確かにそこは歴史と文化の違いかもしれません。

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