アルファ・ベントスが建設された沖合い45キロの水深はおよそ30メートル。風車はそこにオイル掘削プラットフォームの技術を用いて4本足の「やぐら」を建てるか、非常に重い3本足の土台を設置し、その上に据え付けられている。
アルファ・ベントスの風車
風車直径:126メートル
塔の高さ:92メートル
定格出力:5メガワット
総重量:700〜1000トン
羽の回転速度:6.9〜12.1回転/分
発電機の回転速度:670〜1170回転/分
風車の回転に必要な最低風速:3.5メートル/秒
定格風速:13メートル/秒
風車を停止する風速:30メートル/秒以上
風車先端の最高回転速度:80メートル/秒(12.1回転/分の場合)
アルファ・ベントスの風車は世界最大級である。陸上ならば小型から大型までさまざまな選択肢があるが、洋上の風車建設は基礎工事に多額の費用を要するため、できうる限り大型のものが選択される。例えば2.5メガワットの風車を2基建てるより5メガワットの風車を1基建てる方が、発電出力当りの建設費は安上がりになる。大型化により建設費が割安になる理屈は陸上の風車も同じだが、洋上の方がメリットが大きい。
発電された電力はまず洋上変電施設で110万Vに昇圧され、直径18センチ・長さ60キロの海底ケーブルにより送電される。陸地に近い部分のケーブルは船の航行を妨げないよう海底地中に埋められている。
最も注意を要する技術上の問題は氷だ。流氷の衝突に対して十分な強度を持つことはもちろん、風車に付着する氷の対策も必要になる。氷の付着により風車の回転に影響が出るようであれば、回転は自動的に停止するようになっている。
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