値ごろ感からの買いが入り底堅い展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年08月17日 08時50分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10302.01▼1.14

<NASDAQ>2181.87△8.39

<為替:NY終値>85.36-85.42

相変わらず芳しくない経済指標の発表が多いが値ごろ感からの買いが入り底堅い展開

 昨日の米国市場は朝方発表されたニューヨーク連銀景気指数が予想を下回ったことや住宅指標も芳しくなく売り先行となりました。ただ、さすがにこの水準になると買戻しも見られ、底堅い展開となり、底堅さが確認されるとますます買い戻しも入るという展開でほぼ横ばいとなりました。景気の先行きに対する懸念が根強く、積極的に買い上がる材料もないのですが、下がれば買戻しも入ると言う水準で底堅くなっているようです。

 引き続き景気回復鈍化懸念が根強いのですが、個別企業の業績動向から見ると売られすぎと見られる銘柄も多く、信用収縮からの持高調整の売りや仕掛け的な売りが出ないと底堅さも見られるようです。政府やFRB(連邦準備理事会)の対策に期待する向きもあるようですが、ドル安メリットが見られるものもあり、新興国などの経済拡大が続くようであれば、個別企業の業績好転から再び景気の先行きに対する楽観的な見方も出てくるかもしれません。

 個別には先週売られた銘柄に買戻しが見られてシスコシステムズやインテルが堅調、ロウズ(ホームセンター)は四半期決算は予想を下回ったものの、悪材料出尽くし、値ごろ感から買いが入り堅調と連れて決算発表を控えたホーム・デポも堅調となりました。IBMなどハイテク銘柄は軟調なものが多く、JPモルガン・チェースが堅調、バンク・オブ・アメリカは小幅安と金融株はまちまちとなりました。金先物価格が上昇したことからパブリック・ゴールドやニューモント・マイニングなど金鉱株は堅調となりました。景気敏感銘柄も売られ過ぎの修正もあり、底堅い堅調な展開となるものが多く、キャタピラー、GE(ゼネラル・エレクトリック)は堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は週末の米国株が軟調となったことや為替が円高傾向にあることに加え、GDP(国内総生産)が予想を大きく下回ったことから売り先行となりました。週末のヘッジ売りの買い戻しもあり、底堅さも見られたのですが、外国人も売り越しと伝えられたことや景気回復鈍化懸念も根強く大幅安となりました。それでも日経平均が9100円を割り込むところでは下げ渋りも見られ、下げ幅縮小となりました。足元の業績は好調ながらも先行きへの懸念が強いハイテク銘柄などは売られ、ディフェンシブ銘柄や円高メリット銘柄が堅調となりました。

 米国市場は芳しくない経済指標にもかかわらず買戻しも交え底堅い展開となりましたが、円高が進んだこともあり、日本市場は引き続き下値を試す展開が続きそうです。為替が円安に振れるような材料でもでれば一気に切り返すのでしょうが、円高定着となると足元好調な決算を発表した企業なども業績下振れ懸念が強まり、手仕舞い売りが嵩む可能性もありそうです。為替に落ち着きが見られないとハイテク銘柄など輸出関連銘柄は買い難いものと思います。「エコポイント」延長などの経済政策が取りざたされればいったん買戻しなども入って底堅い堅調な展開となるものと思います。円高メリット銘柄、内需関連銘柄でどこまで指数を支えられるのかが注目されます。

 日経平均は引き続き9100円水準での底堅さを確認するような展開になるかもしれません。円高対策や景気刺激策が取りざたされれば9200円水準をしっかりと保つような展開になるのかもしれませんが、為替に動きがなく、円高傾向が続く、あるいは持高調整の売りなどが見られれば9100円を割り込んだ水準で買戻しや値ごろ感からの買いが入るのかどうかを試すようなことになるのでしょう。いずれにしても、7月初旬のような底値固めが続くものと思います。

本日の注目点

◇7月の米住宅着工件数

◇7月の米卸売物価指数(PPI)

◇7月の米鉱工業生産

◇7月の米設備稼働率

◇7月の英消費者物価指数(CPI)

◇8月の欧州経済研究センター(ZEW)のドイツ景気予測指数

◇海外5−7月期決算:ウォルマート・ストアーズ、ホーム・デポ

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