芳しくない経済指標の発表も値ごろ感からの買い戻しがあって堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年08月26日 10時05分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10060.06△19.61

<NASDAQ>2141.54△17.78

<為替:NY終値>84.58-84.64

芳しくない経済指標の発表も値ごろ感からの買い戻しがあって堅調

 朝方発表された耐久財受注や新築住宅販売が予想を大きく下回ったことから売り先行となりました。ダウ平均も10000ドルという節目を割り込んでの推移となりましたが、欧州景況感の好転や為替の落ち着きなどもあり、値ごろ感からの買いが入り底堅く、底堅さを確認すると買い戻しを急ぐ動きなどもあり堅調となりました。売られ過ぎの反動という面が強いのですが、欧州での景況感好転を受けて信用収縮懸念が一服、商品相場も買い戻しを交えて底堅い展開となったことも株式市場の後押しとなりました。

 景況感は相変わらず芳しくないのですが、さすがに節と見られる水準を割り込むような場面では売られ過ぎの修正も起こるようです。欧州での金融不安が薄らいでユーロが堅調となるとリスク許容度も上昇となるようです。米国内の景況感は芳しくないのですが個別企業の業績を見ると、ドル安の恩恵で好調な業績を維持している企業も多く、また、住宅販売は減税効果がはげたことで芳しくないのですが、住宅メーカーが好決算を発表したようにそれまでの住宅減税効果もあり、個別企業の業績自体は悪いものではないと言うことで買われたものと思います。

 個別には住宅関連の指標は芳しくないのですが、トール・ブラザーズは好決算を発表して買われ、大幅高、自社ダウンロードサイトの利用者がテレビ番組を見られるように交渉していると報道されたアップルが高く、売られ過ぎの反動などもあってIBM、インテルなどハイテク銘柄は堅調なものが目立ちました。銀行株はJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカは堅調、シティグループは軟調、とまちまち、景気敏感株もキャタピラーは安く、GE(ゼネラル・エレクトリック)は変わらず、アルコアは堅調となり、ウォルマートやホームデポは高いのですがコカ・コーラは軟調と総じてまちまちとなっています。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は円高が止まらないことや米国株が大幅下落となったことを受けて売り先行となり大幅下落となりました。外国人も大きく売り越しと伝えられたことや政府・日銀の動きは鈍く円高も株安も止まりませんでした。目先筋の買戻しなどもあり、底堅く戻りを試す場面もあったのですが、戻り切らず買い手掛かりに乏しい中で大幅安となりました。政府や日銀の支援待ちと言う感じで積極的な買いはほとんど見られませんでした。

 米国株が堅調となったことや為替が円安に戻ったことなどに加え、昨日までの大幅下落の反動から底堅い堅調な展開が期待されます。ただ、政府・日銀の態度が依然として期待できるものでもないことから戻りも限定的となりそうです。昨日も一部見られたように為替が落ち着くと為替の影響が大きいということで売られていたハイテク銘柄など輸出関連銘柄には買い戻しも入るものと思われます。戻りの鈍さを確認すると売り直されるようなことになるのでしょうが、好業績銘柄を見直す動きも出てくるものと思います。

 下値を探る展開となっていますが、9000円を割り込み8800円〜900円水準で下げ止まってくるのではないかと思います。いったん9000円を割り込んだことで戻りは9200円水準となりそうで、まだまだ下値を固めるような段階ではないかと思われますが、円安に振れる過程で好決算を見直す動きとなれば、9200円水準をあっさりと抜け、9200円水準をあっさりと抜けると底入れ感が出てくるのでしょう。9000円台になると売られるような展開になって来るのでしょうが、政府・日銀の態度が煮え切らないので、その水準までも戻ることなく底値固めとなる可能性もありそうです。

本日の注目点

◇2年物国債〔9月債〕の入札

◇8月の中小企業景況調査(日本公庫)

◇7月の香港貿易統計

◇フィリピン中銀金融政策決定会合

◇米7年物国債の入札

◇海外4−6月期決算:クレディアグリコル

◇海外5−7月期決算:ノベル

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