コラム
» 2010年09月08日 08時00分 公開

松田雅央の時事日想:自転車には欠かせない「シマノ」、その実力に迫った (2/3)

[松田雅央,Business Media 誠]

E-バイクを経営戦略の柱に

シマノ・ヨーロッパの広報・マーケティング部長トロスト氏

筆者:シマノはブレーキと変速機のメーカーというイメージを持っていたのですが、ここにはおよそすべての構成部品、シューズ、ウエアが展示されています。私のイメージは間違っていたようですね。

トロスト氏:当社は自転車のフレーム(自転車の骨格部分)を除くほとんどすべてのものを製造しています。フレームを製造しないのは、フレームメーカーが当社の顧客であるためです。

筆者:シマノは自転車の本場欧州で大きな成功を収めていますが、その秘密と企業戦略は何ですか?

トロスト氏:当社は1921年に島野鉄工所として大阪で創業を始めました。長い歴史を持ち、来年で90周年を迎えます。成功のキーワードは「トップクオリティー」です。われわれの視点はいつもテクノロジーに向けられています。当社は技術と品質の高さで勝負する「テクノロジー企業」であり、広告やイメージ戦略に頼って販路を拡大する「マーケティング企業」ではありません。

 2つ目の理由を挙げるとすれば、エンドユーザーの意見をうまく吸い上げることでしょうか。当社は販売店と頻繁に話し合いの場を設け、エンドユーザーから寄せられた問題点や要望を取り入れるよう努力しています。

筆者:シマノ・ヨーロッパについて簡単にご説明ください。

トロスト氏:会社はオランダにあり従業員は約60人です。ずいぶん少なく思われるかもしれませんね。当社は欧州の販売戦略やマーケティングを統括し、各国にビジネスパートナーとなる企業があります。シマノの従業員は全世界でおよそ9000人です。

筆者:シェアはどのくらいですか?

トロスト氏:製品の種類、国、地域によって大きく違いますので一概には言えません。平地の多いオランダと山に囲まれたアルプス地方では市場も大きく異なります。

筆者:E-バイクの展示に力を入れているように感じます。

トロスト氏:はい。今後、E-バイクを経営戦略の柱にしようと考えています。ただし当社の考えるE-バイクはバッテリーとモーターを搭載して補助駆動を得るだけではなく、変速機の電子制御を含めた総合電動システム「インテリジェンス・コンセプト(自転車の高知能化)」を進めたものです。変速機の電子制御はすでにプロのレース用車体に取り入れられており、近い将来、市販の車体にも搭載する予定です。

 自転車業界はE-バイクの開発にしのぎを削っていますが、メーカーによっては速度や馬力をアップするためスクーターのようになっています。速度が出過ぎると今度は安全上の問題が生じますし、当社はあくまで(自分でペダルをこいで)乗る人が楽しむ自転車としてのE-バイクを目指しています。

シマノの総合電動システム「STEPS」仕様のE-バイク

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