景気低迷などの影響を受け、「なかなか仕事が見つからない」「面接すら受けさせてもらえない」といった若者も多い。「労働は資源」と考えた場合、日本の資源は乏しいと言わざるを得ない。ならばその希少な資源をどのようにすれば平等に手にすることができるのだろうか。この問題について、ブロガーのちきりんさんとフリーライターの赤木智弘さんが語り合った。
1975年8月生まれ、栃木県出身。長きにわたるアルバイト経験を経て、現在はフリーライターとして非正規労働者でも安心して生活できる社会を実現するために提言を続けている。
著書に『若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か』(双風舎)、『「当たり前」をひっぱたく』(河出書房新社)がある。ブログ「深夜のシマネコ」、Twitter「@T_akagi」
赤木:これからの日本は「仕事をある一定期間以上はさせない」というルールが必要なのではないでしょうか。今の労働基準法は雇っている会社側に対する命令ですが、それをさらに1歩踏み込んで「日本において、働くということはどういう意味があるのか」というところから話を始めてみてはどうでしょうか。
ちきりん:労働は希少な資源なので、それをどう使うかを国民で考えようということですね。いま赤木さんの話でオモシロイなあと思ったのは、労働基準法の遵守を一歩越えて、新たなルールを作っていきましょうということ。例えば「労働者を3年以上雇ってはいけません」というルールには賛成ですか?
赤木:賛成ですね。
ちきりん:おそらくそのルールには、大企業の経営者はみんな賛成しますよ。
赤木:かもしれません。1つの会社に3年働いて辞めたとしても、試験などをして合格すればまた働けばいい。自動車免許の更新制のようにすればいいんですよ。
ちきりん:そうすると企業は優秀な人以外、全員のクビを切りますね。人並み以上の能力を持っている人は再雇用されるかもしれませんが……。
赤木:その一方で、労働基準法を厳罰化しなければいけません。労働者を自由に使えるのが会社の特権でもあるので、その部分に対し企業は責任を負わなければいけない。いずれにせよ労働力は企業の経営が良くなればなるほど減少していくので、そこで企業に“税金”のようなものをかけていかなければいけません。
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