百花繚乱の時計サイズ、日本人の腕に似合うのは?菅野たけしのウォッチWatch(1/2 ページ)

» 2010年09月30日 08時00分 公開
[菅野たけし,Business Media 誠]
菅野たけしのウォッチWatch

 上の写真は年代こそ異なるが、すべてメンズウオッチだ。「えっ! 大きさにまるで大人と子供ほどの差があるじゃないか」という声が聞こえそうだが、まぎれもない事実。

 調べてみたら1950年代から2010年の約60年間に、驚くことに時計のサイズは25%もアップしていた。1950年当時の平均的なメンズウオッチのケース径は約32ミリ。一方、現代はといえば40ミリオーバーが当たり前だ。

 では、日本人の体格がこの60年間で25%大きくなったかといえば、そんなことはない。手元の資料では、1950年の成人男性の平均身長は160センチで、2010年は171センチ。約7%アップしているが、時計並に25%アップしているならば、平均身長は2メートルにもおよぶ(デカイ!)。

 時計を選ぶとき、サイズのことで大いに悩む人も多いはず。時計のトレンドから見ればビッグサイズが主流だが、日本人の体格や腕の太さからみると個人的には40ミリ前後が収まりいいと思う。ということで、今回は時計の大きさについてアレコレ考えてみたい。

軍用時計でも現代のレディスウオッチより小さかった!

 この2本の時計は1940年代〜1950年代のメンズウオッチ。りゅうずを含まないケース径は30〜32ミリ。左の黒文字盤はキンツレー製の軍用時計で、そのサイズは30ミリ。現代のサイズ基準で考えるとレディスウオッチよりも小さい。しかし当時の兵士たちは、このサイズの腕時計をしていたわけだ。右の1950年代のタイメックスはケース径32ミリ。

菅野たけしのウォッチWatch菅野たけしのウォッチWatch 1940年から1950年代の時計。キンツレー製の軍用時計のケースサイズは現代のレディスウオッチより小さい

ケースサイズの大型化はムーブメントの大型化から

 1970年代〜1980年代になると時計のムーブメント自体が大きくなり、それにともない時計のケースも大きくなる。時計の種類をみてもシンプルな中3針以外に、防水性能を高めたダイバーズウオッチ、経過時間を計測するクロノグラフといった特殊機能を搭載した時計が登場する。付加機能を備えた分だけ、ケース径やケース厚が増していった。

 写真左は1985年製のロレックス「GMTマスター」。ケース外周には24時間表示を備えた回転ベゼルやりゅうずを保護するためのリューズガードが備わる。ケースサイズは約39ミリだ。

 同じく1970年代のロレックス「サブマリーナ」。こちらもサイズは約39ミリ。当時の一般的なドレスウオッチと比べる、ロレックスのスポーツモデルは大きくてゴツかった。

菅野たけしのウォッチWatch菅野たけしのウォッチWatch 1985年製のロレックス「GMTマスター」と1970年代のロレックス「サブマリーナ」
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