コラム
» 2010年11月05日 00時08分 公開

“未払い残業”の争いが増える、3つの理由吉田典史の時事日想(3/4 ページ)

[吉田典史,Business Media 誠]

トラブルになりやすい「時間外労働」と「休日労働」

 「未払い残業」の扱いでよく問題になるのは、以下の3つである。私が取材した限り、1と2が目立つ。

1:時間外労働

2:休日労働

3:深夜労働

 1の時間外労働とは、法定労働時間である1日8時間を超えた労働時間のこと。これを超えた分は「残業=時間外労働」となり、25%以上の割増賃金を支払う義務がある。誤解が生まれやすいのは、就業規則などで定められた「所定労働時間」との関係だ。私が労働組合の役員をしているときに組合員にアンケートをすると、このあたりを理解していない人は組合員の半数に達していた。

 仮に所定労働時間が7時間として決まっている場合は、法定労働時間である8時間よりも1時間少ないことになる。労働者が1時間残業し、8時間を働いたとしても、その1時間には割増賃金は発生しない。これは「法内残業」と言われるものであり、通常の1時間について支払われる賃金と同じ額の分が支給される。ただし、就業規則などで「所定労働時間を超えた労働時間に対して割増賃金を支払う」旨の規定があれば、法内残業でも割増賃金が発生する。

 2の休日労働とは、まず法定休日として原則として週に少なくとも1日設けるか、もしくは4週で4日設けることが労働基準法で決まっている。一方で、就業規則などで定められた休日が「所定休日」である。この日に出勤し、働いた場合は「法内残業」と同じ扱いを受ける。この場合は法定休日労働としての割増賃金が発生しないので、それを支払う必要はない。ここも誤解が生まれやすいところである。

 私が労組で受けた相談例でいうと、土日完全週休2日制の職場で、ある社員はそのいずれかに働いた。彼いわく、「自分は割増賃金を受け取っていない」という。しかし、これは「所定休日」に働いたことになり、その場合には割増賃金は支払われない。

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