堅調だが目先的な過熱感もあり上値は重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年11月11日 16時58分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場が堅調、為替も円安となり買い先行で始まったものの上値の重い展開となりました。昨日の大幅高の反動や先週からの上昇でG20首脳会合を前に手仕舞い売りもかさんだものと思います。好決算に素直に反応するものも見られるのですが、海外市場で商品相場が一服となったり、中国でも金融引き締め懸念が強まっていることから、早めに手仕舞うという動きもあるようです。ただ、日本株の出遅れ感もあり、売り急ぐ動きはほとんど見られず、軟調なものも底堅い展開となりました。

 昼休み時間が30分短縮される見通しとなりました。30分の短縮がどれほどの意味があるのかわかりませんが、そもそもが「昼休み時間が長すぎる」という議論であったわけではなく、「昼休みが必要かどうか」ということが問題であったのではなかったかと思います。以前は11時から13時まで昼休みがあり、証券会社の営業マンはその間に顧客とビジネスランチを食べたり、訪問したりし、市場部員(立会い場要員)は伝票整理をしたりもしていたものです。

 もちろん、昼休みを交代で取るというようなことをすればいいだけの話ですが、昼休みが何のためにあるのかを考えれば立会い場がなくなったのですから、市場部員を交代で休ませる必要もなく、相場に張り付いて顧客の株式注文を取り次ぐ機会も少なくなって、営業マンが相場に張り付いている必要もなくなり、ました。その点では昼休みは必要ないと言えるのでしょうが、逆に昼休み時間に取引がしたい、と言う観点からしても、本当に昼休みに株を売り買いしなければならないのでしょうか?

 昼の間の情報に敏感に反応できる、とか、仕事の合間に売り買いが出来ると言う見方もあるようですが、そもそもが株式をそれほど慌てて売買する必要があるのかと思います。時間のない投資家はそれなりに使える時間で相場の方向性を見極め、物色対象を見極めて、注文を出しておけばいいということだと思います。もちろん、証券会社が顧客の利便性を考えて24時間注文の取次ぎをすると言うようなサービスや「逆指値」などの多様な注文形態などは必要だと思いますが、決まった取引時間があるのであれば、その中で取引の出来るような投資を考えれば良いと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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