最新オランダのアート&デザインのエッセンスが凝縮(5/5 ページ)

» 2010年11月17日 08時00分 公開
[草野恵子,エキサイトイズム]
エキサイトイズム
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 大阪生まれで、現在オランダのアムステルダムを活動拠点とするパフォーマンスアーティスト、タケトモコ氏。京都市立芸術大学大学院を卒業後、1997年にオランダのライクスアカデミーでのレジデンスを足がかりにアムステルダムでの活動を始めた彼女。今回、彼女はオランダのアーティストとして招聘されている。

エキサイトイズム 「Piece of Home / HomelessHome」ビデオ、写真、ドレスを含むインスタレーション

 彼女は自分の「Home」を日本ともオランダとも決められないあやふやさを「Homeless」という言葉に託し、進んで「Homeless」の状態にある人々の交流をはかるうちに、彼らの行動や考え方に興味を持ったという。そして、ホームレスの人々と直接関わろうとしない普通の人々と彼らを積極的に交流させるプロジェクト「Piece of Home / HomelessHome」を2003年からスタートすることになる。

 アムステルダムをはじめとする、さまざまなパブリックスペースで展開されるこのプロジェクトは、シンボリックな直径16メートルの大きな白いテントを中心に、オリジナルのオーガニックカフェやワークショップスペースを設け、訪れた人々は自由に参加することができるというもの。カフェでは手作りのオーガニックな食べ物や飲み物を食べながら、ホームレスと一般の人々が自然にコミニュケーションできるように配慮されている。ワークショップでは、アーティスト自身がデザインしたオリジナルのパターンから、参加者自身が自由なかたちに切り取り、ペイントを施したりして、カスタムメイドの衣服を制作できる。

 今回の展示では、そのワークショップの風景や、実際に出来上がった衣服を観ることができる。ちなみに、ワークショップ終了後にはファッションショーを行われ、ワークショップの参加者全員がそれぞれ制作した服を身にまとい、オリジナルの曲にあわせてキャットウォークを歩いた。制作した衣服は、ワークショップの参加者が各自持ち帰ることができる。社会的通念を越えて、人と人との関わりを積極的に推進していこうとするタケ氏のハッピーなプロジェクトは、シンプルだが、強いメッセージを放っている。

 自由な発想に満ちた、オランダのデザインとアート。それらは凝り固まった固定概念をくるりと覆すパワーを秘めている。本展はクリエイティブ・コモンズに沿った写真撮影が可能なため、ブログや写真共有サービスへの投稿も可能。来年1月30日まで。

オランダのアート&デザイン新言語

東京都現代美術館 東京都江東区三好4-1-1

開催中〜2011年1月30日(日)

休館日:月曜日(1月3日、10日は開館)、12月29日〜1月1日、1月11日

お問い合わせ:03-5245-4111


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