家は購入すべきか それとも賃貸で暮らすべきかあなたはどうする? 住まいの選び方(2/3 ページ)

» 2010年11月19日 08時00分 公開
[権田和士(日本エル・シー・エー),Business Media 誠]

 グラフのように、30〜40年スパンの長期的視点で考えれば、住宅を購入した方が生涯コストは安くなる傾向が高い。それに加え、現在の低金利や税控除などの状況から「今が買い時」と一般的には考えられている。実際に「今が買い時」という声をメディアや住宅・不動産販売企業から聞いて焦っている人もいるかもしれない。また購入した住居をいずれ売却すれば、その分の資産も得られるという特典まで付いてくる。

 しかし、だからといって安直に「購入した方が良い」という結論に至ってはいけない。実際に「持ち家を買ったが、飽きてしまって今は賃貸に住んでいる」「デザイナーズマンションとか古民家とか、いろいろ住んでみたい物件があるので、賃貸の方が良かった」という購入者の声もある。

 自分や家族のライフスタイルを考えて住まいを選ばないと、後で生活のギャップが生まれるリスクを負うことになる。賃貸か購入かを選択する上で、費用だけで選ぶのではなく、自分が将来どんな暮らしをしていきたいのか、家族とどんな未来を描いていきたいかによって、住まい方を決めることが重要である。

購入派と賃貸派のライフスタイル

 自分のライフスタイルで住まいを選ぶと言っても具体的にどんなことに気をつければいいか。購入派の傾向として挙げられるのが、ずばり「マイホーム」という財産を得ることに大きな価値を感じること。

 「住宅ローンの返済は大変だけど、家族の財産として子どもに残せると思ってがんばっています」「自分好みの家を作れて、リフォームも自由にできるのが魅力です」「自分のモノだと思うと家に対する愛情も変わってきますよ」という声を聞くことが多い。

 それに比べて、賃貸派の意見はどうか。賃貸派に多いのは「一生涯を同じ場所で過ごそうとは思っていません。ライフスタイルによって海の近く、山の近くなど住む場所を変えていきたいですね」「住まいを購入することは財産を持つことでもあるが、責任と不自由さも一緒に抱え込むことにもなる」と、1カ所に縛られることのない自由さを求める声が目立つ。

 これらの意見を見て、あなたはどちらに共感するだろうか? 共感度の高い方が、あなたが購入派か賃貸派かを見分ける1つの指標になるだろう。

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