焦らせる“大人”に騙されてはいけない。就活の問題点に迫る吉田典史の時事日想(4/4 ページ)

» 2010年11月26日 08時00分 公開
[吉田典史,Business Media 誠]
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 つまり、大企業の人事部、それを支える就職支援の会社、そしてキャリアセンターが三身一体となり、学生たちを手当たり次第に会社にエントリーするようにそそのかす構造になっているといえる。赤堀さんはいう。「ここ数年は、 企業本位の就活は多少、軌道修正されつつある。だが、依然として学生は焦るように仕向けられている」

 また大企業のセミナーのあり方にも疑問を呈した。一部の企業では、学生たちが集うその場で、現場を離れた経営者や役員が長い話をしたり、そのビデオが流れる。確かにこれもまた、企業本位といえるのかもしれない。学生が知りたいのは、自分たちの近未来である20代社員たちの本音、例えば仕事の醍醐味なのだという。

 赤堀さんは2010年から、すでに社会人になった人を対象に「実践塾」と称して「ビジネス」「読む力」「インテリジェンス」などをテーマに教えている。これもまた、仕事観を明確にするために不可欠と考えている。「仕事観を持つことの大切さを伝えていくことで、企業と大学の橋渡しをしていきたい」と結んだ。

赤堀さんは社会人を対象に「実践塾」を開いている(撮影:則次弘基)
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