チルドカップコーヒーの定番、マウントレーニアが強いワケコンビニ、ヒット商品の理由(1/2 ページ)

» 2010年12月08日 08時00分 公開
[笠井清志,Business Media 誠]

「コンビニ、ヒット商品の理由」とは?:

限られた売り場を最大限に活用して、面積当たりの売り上げを高めているコンビニ。約100種類の新商品が毎週発売されているが、売れない商品は発売から2週間ほどで撤去されてしまう。厳しい審判をくぐり抜け、コンビニでヒットしているのはどんな商品なのか。一般には「おいしい商品」「お得な商品」「テレビCMが放映されている商品」が売れると思われがちだが、実は重要なのは「店頭展開」。このコラムでは、コンビニのヒット商品を展開方法の観点から分析していく。


 近年、飲料市場においてはコーヒー系カテゴリーの消費量が年々拡大している。

 総務省の家計調査を見ると、飲料市場の王者である「茶類」は出費金額が漸減しているのに対し、「コーヒー・ココア」の出費金額は右肩上がりで増加。日本におけるカフェ文化の浸透が、この動きを支えていることは間違いないだろう。

「茶類」「コーヒー・ココア」の出費金額推移(月間平均、単位は円、出典:家計調査)

 コーヒー・ココア分類にはインスタントコーヒーやコーヒー豆などの出費金額も含まれ、それらの販売チャネルの中心はスーパー。また、コーヒー飲料の主力である缶コーヒーの主な販売チャネルは自動販売機である。

 一方、コンビニにおけるコーヒーの売り上げでは、「チルドカップコーヒー」の割合が圧倒的に高くなっている。チルドカップコーヒーとは、プラスチックカップ(アルミカップの場合もある)に入ったコーヒー飲料のことで、封入したフタの上にもう1つプラスチックのフタをかぶせた容器が多く用いられる。

 要するに、コンビニのチルド商品売り場(プリンやゼリーなどが陳列されている売り場)に陳列されている、カップ形態のコーヒー飲料のことである。

ある大手コンビニチェーンの年間平均売上比率

 このチルドカップコーヒー市場で竜虎相打つ戦いを演じているのが、王者「マウントレーニア」と挑戦者「スターバックス」である。2005年にスターバックスがこの市場に参入して以来、両者の戦いは白熱。この戦いによって消費者の認知度も向上していることから、新たな新規参入者(ドトールやタリーズなど)も増え、コンビニにおけるチルドカップコーヒー市場は拡大を続けているのである。

 チルドカップ市場の戦いは現在、新たなステージへと移行しつつある。拡大を続けてきたチルドカップコーヒーの亜流として、紅茶やフレッシュジュース系、デザート系のチルドカップも登場しているのである。

マウントレーニア「カフェラッテ」(左)とスターバックス「ラテ」(右)

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