広告施策の費用対効果(ROI)が厳しく問われる昨今、特にWeb広告でいかに効果を出すかに着目してリードジェネレーションについて解説している本連載。第4回では、オンラインリードジェネレーション(OLG)が持つ、"リスクが小さく、ROI(費用対効果)を把握しやすい"という特徴を紹介しました。
こうした特徴は、限られた予算で新規見込み客(リード)集めを行う場合だけでなく、十分な予算を確保しているにも関わらず成果が出ない場合にも有効です。今回は、"新規見込み客獲得の予算が使い切れない"という課題をどうやって解消したらよいかを検証してみましょう。
→オンラインリードジェネレーション実践講座:第1回 ネットで攻めの営業を――「OLG」って何?
本連載の隠れテーマでもありますが、既存事業の不透明感が広がっている現在、新規見込み客の重要性は増す一方です。見込み客を獲得するためにかなりの予算を投下するケースが見受けられますが、使い方として従来の手段、つまり、展示会への出展やリスティング広告出稿の予算を厚くするだけでは、なかなか結果が伴いません。
例えばこんな事例があります。モバイル向けのコンテンツソリューションを販売するA社では、リスティング広告を使った新規見込み客獲得を行うことにしました。予算を100万円ほど用意しましたが、リスティング広告は検索キーワードの人気に応じて価格が上下するため、頻繁に検索されるキーワードに広告を出してはすぐに予算を使い切ってしまいます。そこで、見込み客になり得る業界関係者が検索しそうなキーワードを厳選して登録したところ、モバイルコンテンツのソリューションを導入しようという企業は限られており、登録したキーワードが検索される回数は予想よりも少ないことが分かりました。その結果、新規見込み客の獲得用に確保した予算が使い切れないという事態になったのです。もちろん、リスティング広告をクリックして自社サイトを訪れる人も少ないため、見込み客の獲得には至りませんでした。
予算が使い切れない――これは出費が少なくて済む半面、予想していた成果を上げられないことを意味します。人気のキーワードを利用すればすぐに予算を使い切るでしょうが、ROI(費用対効果)の向上を目指すのであれば、むやみに条件を緩めて予算を使い切るわけにもいきません。
そこでA社は、リスティング広告とオンラインリードジェネレーション広告の組み合わせに着目しました。問い合わせフォームにたどり着く道筋を複数用意することで、予算を有効に使うことにしたのです。
第4回(参照記事)で紹介したように、オンラインリードジェネレーション広告は自社サイトとは別に問い合わせフォームを用意することから始まります。自社サイトの問い合わせフォームだけではカバーし切れない層にアプローチする必要があるからです。
A社は、あるIT関連のニュースサイトが提供しているオンラインリードジェネレーションサービスの導入を決定しました。問い合わせフォームを追加した自社サービスの広告記事(ランディングページ)を、ニュースサイト内に掲載したのです。それに加えて、残った予算でこれまで通りリスティング広告も継続しました。ニュースサイト内からの誘導とリスティング広告からの誘導、フォームへのルートを2つ用意したわけです。
この組み合わせは、単にルートを増やす以上の意味があります。顧客は広告を見た瞬間にリードとなるわけではありません。何度も情報を比較検討しながら、最終的にどこかのランディングページで情報を登録します。ニュースサイトの広告記事(ランディングページ)から直接見込み客にならなくても、その記事を読んでから検索サイトを迂回(うかい)して、最終的に自社サイトにたどり着くというのは非常に多いケースです。
さらにA社は、広告記事を読んだ読者の反応を見ながら、そのニュースサイトが提供するオプション商品を利用したり、リスティング広告のキーワードを調整するなどして相乗効果を高め、新規見込み客の獲得に成功しました。用意した予算をしっかり使い、それに見合う成果を得ることができたのです。
リスティング広告もオンラインリードジェネレーション広告も、その成果に応じてコストが発生する成果報酬制が主流です。それぞれを組み合わせても予算のコントロールが容易であり、またお互いの結果を見ながら内容を調整することで、より効果を高めることが可能なのです。
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