相変わらず方向感なく小動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年12月17日 16時06分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場は堅調、為替は円高と強弱感が対立したからということでもないのでしょうが、相変わらず方向感のない展開となりました。結局、日経平均は先週末の大きな陰線の中での動きに終始した格好となり、先週末の先物・オプションのSQ(特別清算指数)算出で今年の相場も終わってしまったかのようです。手掛かり難と言うこともあって方向感がないと言うよりは売買高などが出来ているところを見ると個々の銘柄が方向感がなく、目先の売り買いに終始していることで方向感が見られないと言うことなのだと思います。

 結局方向感のない一週間となりました。これほど毎日動きがないと言うことは珍しいのではないかと思いますが、売買高は増えているものの、市場参加者が増えていないと言うことなのだと思います。先週末のSQで目先値動きに右往左往しない投資家=インベスター(投資家)やアービトラージャー(裁定取引者)などがお休みとなって目先の値動きだけに反応する投機家が主体の相場となったと言うことなのだと思います。

 もちろん、米国景気の回復が鮮明になり、ドル安懸念が緩和されたと言うことで、業績上振れ期待が強まり、下値でしっかりと買いが入っていると言うことも、動かない要因だと思います。また、11月でファンドなどの決算が終わり、来年に向けての持高を調整しており売り急ぐことも買い急ぐこともないと言うことなのでしょう。目先の需給に振らされてはいるのですが、目先の需給に偏りがなく、方向感が見られないと言うこともあるのでしょう。

 外部環境を見ても、債券が売られ長期金利が上昇することを懸念する向きがある一方で、債券から株式などリスク資産への資金シフトを好感する見方もあると言うように、中国で金融引き締め懸念が強まり、欧州の金融不安が燻りながらも新興国のインフレ懸念など過熱感が薄れ、欧米の景気の回復も期待されると言うように強弱感も対立、方向がしっかりと見えてからでも遅くないと言う向きも多いのだと思います。ただ、大きな流れのなかで見た場合には来年に期待してみてもいいのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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