堅調だが過熱感もあって上値も限定的清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年01月13日 15時57分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国景気の回復が見られ、欧州金融不安もいつものように特に心配されることもないとしてユーロが堅調となったことから、買い先行となりました。ただ、寄り付き前に発表された機械受注が3カ月連続で前月比マイナスとなったことで、上値も限定的となりました。「○○関連」として囃してみたものの、実際にはそれほど盛り上っていないということなのかもしれません。個人消費関連などには業績上振れとなるものも見られるのですが、まだまだ日本の景気回復も簡単にはいかないようです。

 朝方発表された機械受注は予想を下回りましたが、市場への影響も限定的となったようです。景気回復期待が強かっただけに失望感も出てくるのかと思われましたが、特に売り急ぐ動きもなくユーロ高などを好感して堅調となりました。ただ、昨日と同じように円安ということを好感しているかのように思えるのですが、ハイテク銘柄なの中には軟調なものが見られ、金融株や不動産株が高いと言う状況です。景気がまだまだ悪いので低金利が続くと言うことでしたら不動産株などが買われても良いのですが、ここまれ買われると割安感も薄れており、目先の需給要因で上がっているということなのだと思います。

 今年に入ってから売買高もふくらみ、相場も戻り歩調となっているのですが、いったんは「スマートフォン関連」や「電気自動車関連」銘柄を物色、その後出遅れ銘柄を物色となっていたので、うまく循環して行くのではないかと思っていました。ただ、昨日はとにかく今日も特に材料もなく高くなっているような銘柄も見られ、相場全体の方向感を掴み難くなっているのではないかと思います。材料含みのものが上昇して、今度は出遅れ銘柄が買われると言うことでしたら、良いのですが、単に毎日毎日値動きの良い銘柄ばかりが買われているということでは好調な相場も長続きしなくなってしまいそうです。

 空売りが多い銘柄が買い戻しで上昇するケースも多いようで、割安修正で買われているのか、単に値動きの良さだけで買われているのか見極める必要もありそうです。世界的な景気拡大、景気回復の大きな流れに日本が乗れているのかどうか、そして個別の企業も景気回復の流れに乗れているのかどうかをしっかりと見極めることが、大切なのだと思います。ここからは更に選別が必要になるのかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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