中国金融引き締めの影響は限定的清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年01月17日 08時38分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>10499.04▼90.72

<TOPIX>930.31▼7.43

<NYダウ>11787.38 △ 55.48

<NASDAQ>2755.30△20.01

<NY為替>82.86△0.05

好調な金融機関の決算発表を好感、中国金融引き締めの影響は限定的

 朝方発表された大手銀行の決算が好調となったことで、企業業績発表が本格化するなかで決算期待が高まり堅調となりました。中国の預金準備率の引き上げが伝わり、原油先物などが売られる場面もありましたが、中国景気の鈍化が示されたわけでもなく、好調な企業決算への影響は限定的と見られることから特に問題視されることもなく堅調となりました。

 前日の引け後に決算発表をした半導体大手が設備投資を増やす方針を示したことも、順調な世界景気の拡大、回復を示しているものとして好感する動きとなり、半導体関連などハイテク銘柄も堅調となるなど、決算発表の本格化を前にドル安効果、金融緩和効果の企業業績への影響が期待されることとなったものと思います。目先的な利益確定売りもこなして好決算に素直な反応となっており、堅調な地合いが続きそうです。

 個別には前日の引け後に好決算を発表したインテルは利益確定売りに押されて軟調となりましたが、アップルやIBMなどが堅調、グーグルが大幅高となるなどハイテク銘柄などは堅調となりました。朝方のJPモルガン・チェースの好決算発表を受けてバンク・オブ・アメリカなど金融株が高く、原油価格の上昇を受けてエクソン・モービルやシェブロンも高くなりました。景気回復が確認されたと言うこともあり、景気敏感銘柄も高いものが多く。ゼネラル・エレクトリックやアルコア、ホーム・デポなどが高くなりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株安を嫌気する動きや週末の手仕舞い売りに押されて軟調となりました。内閣改造を嫌気する動きもあり、小型の値動きの良い銘柄や個別に持高調整の買いが多かった銘柄は堅調となりましたが、物色対象も絞りきれず、米半導体株の好調な決算にも反応は鈍く、冴えない展開となりました。目先的な過熱感が強いところで、いったん戻りかけたユーロが再度軟調となったことも嫌気されたものと思います。

 先週末の下落の反動や円高一服、米国株高を好感して堅調な展開が期待されます。目先的な過熱感は依然として強いものの、出遅れ銘柄を物色する動きも2巡目に入って来る可能性もあり、堅調な展開が期待されます。ただ、目先的な過熱感が払しょくしきれていないことやある程度先走って買いついた面もあること、また、中国での金融引き締め懸念もあって上値も限定的となりそうです。先週末に期待されたなかで軟調となっていたハイテク銘柄などの反発に、出遅れ感が強い銘柄の上昇が期待されます。

 日経平均は引き続き10500円〜600円での底堅さを確認する動きとなりそうです。10500円水準での底堅さを確認しつつあり、10800円〜900円水準の次の節目を試す動きとなるのかどうか、10600円台で引けるようであれば雰囲気も変わって来るのでしょうが、まだ10500円〜600円台水準での底堅さを確認する動きから、先に進むだけの材料にも乏しいということになりそうです。

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