ブレインマークス代表取締役
1970年、大阪府茨木市生まれ。24歳で通信販売会社を起業し成長させたのち、ITベンチャーの立ち上げに参画。同社では、取締役として営業部門の仕組みづくりを確立。その後、営業コンサルティング会社、株式会社ブレインマークスを設立。マーケティングに関するノウハウを追及し続け、これまでに行ったセミナーの数は1000回を超える。“情報提供型”営業の支援をするマーケティング・コンサルタントであり、企業のブランド化、営業の組織化を提唱している。著書に『営業のミカタ』がある。
「あなたが、営業として今抱えている悩みは何ですか?」と私の周りの営業マンに、質問をしてみました。すると、このような答えが返ってきました。
- 競合が増えて、価格競争が激しくなっている
- 新規の見込み先が見つけられない
- 売り上げを現状維持するだけで精一杯
上記のような悩みを抱える営業マンは、声をそろえて言います。
「提案トークを磨くべきですか? それとも、押しが弱いのでしょうか?」
いいえ、そうではありません。その努力が報われないのは、あなたの努力が足りないのではなく、顧客の意識が大きく変化しているからです。
不況が長引き、企業も個人も“慎重な選択”が当然になる中、顧客は、価値が分からない商品やサービスの話を聞きませんし、価値が分からない営業マンを尊重しようとはしません。顧客の意識が変わり、「購買行動が変化」しているのですから、今までと同じ考え方や手法でマーケット開拓を試みたとしても、なかなかうまくいきません。これからは、過去の成功にとらわれることなく、「顧客の変化」を起点に営業全体を見直す時期ではないでしょうか。
では具体的な「購買行動の変化」について、2つの視点で掘り下げて考えてみたいと思います。
この「購買行動の変化」には、現代的とも言える特徴が見てとれます。例えば、プラズマテレビの購入を考えたときに、以前なら、事前に友人や家電量販店で情報を集め、値切り交渉をして購入する程度のものでした。
しかし、今はインターネットでさまざまな商品性能を比較し、口コミサイトの評判を入手し、価格比較サイトで最安値をチェック。その上で、家電量販店で値引き交渉をする人が増えています。ですから、顧客が購買行動を起こした瞬間というのはもうすでに、「どの商品」を「誰から買うのか」を決めている、というケースが増えています。
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