コラム
» 2011年01月20日 08時00分 公開

松田雅央の時事日想:物価の優等生が皮肉な結果に……汚染された“ダイオキシン卵” (2/4)

[松田雅央,Business Media 誠]

許容量は卵数個

 一般的に、食用廃油からバイオディーゼルや油脂を製造する段階でダイオキシンは発生しないとされる。また、ペトロテック社はあくまで工業用油脂を製造しており、今のところ同社に違法性はないとみられている。

 一方、ハーレス&イェンシュ社は許容値を超えるダイオキシンの製品を販売したことに加え、工業用油脂を飼料の原料として販売したことに飼料法違法の疑いがあり、家宅捜査を受けている。

 消費者にとって最も気がかりなのは、販売された卵や食肉がどの程度汚染されていたかという点だ。可能性としては、卵ならば大人が1日数個食べても許容値を超えないが、子どもならば超えるかもしれないといった程度である。幸い急性中毒を起こすような濃度ではなく、実際のところ健康被害はないと考えられる。

 ダイオキシン類は工業的に製造する物質ではなく、モノを燃やす過程で副産物として発生する。主な発生源はゴミの焼却だが、排気ガスが基準が厳しくなり日本国内では大気のダイオキシン濃度がここ10年で50分の1以下まで低下している。微量ながらダイオキシン類は自然環境下に広く存在するため、極めて少量ではあるが人は毎日ダイオキシンを摂取している。

 ダイオキシン類は無色の固体で水に溶けにくい反面、脂肪などには溶けやすいという性質を持っており、魚介類、肉類、乳製品、油脂を通して摂取することが多い。日本人の一般的な食生活で取り込まれるダイオキシン類の量は、厚生労働省の平成18年度の調査では体重1キロ当たり約1ピコグラム(1兆分の1グラム)と推定されている。ちなみにWHO(世界保健機関)が定める摂取許容値は体重1キロ当たり4ピコグラムだ(日本環境省「ダイオキシン類 2009」)。

日本全国の排出総量と大気及び水質中のダイオキシン類濃度の推移(出典:環境省)

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