円高を嫌気する動きもあって上値も限定的清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年01月20日 00時36分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場は堅調となり、米アップル社やIBMの好決算も発表され、為替も落ち着いた動き、特にユーロが堅調となったことなどから買い先行となりました。外国人も買い越し基調と伝えられたのですが為替が円高に振れたことから上値も重く、昼の時間に円高が進んだのですが特に反応はなく堅調な動きながらも方向感のない展開となりました。足元の業績も好調と新聞などで報じられる銘柄も多いのですが、目先的な過熱感もあって素直に乗り切れないと言うことのようです。

 米国株式市場への反応も鈍いものとなりました。米国企業の決算は好調となっているのですが、日本企業の決算動向をしっかりと見極めたいと言うことで最後まで買い切れないと言うことなのでしょう。円高がどんどん進む要因にも乏しいのですが、目先の円高には敏感に反応してしまうと言うことのようです。今年に入ってから売買高も膨らんでおり、うまく循環物色となっていたと思っていたのですが、まだまだ市場参加者も少ないということのようです。

 日中の値動きも小さい日が多く、テーマ性で買われる銘柄でも最後まで買い切れず、好材料に反応しては見たもののすぐに利益を確保しようと言う動きや見切る動きとなるようです。まだまだ疑心暗鬼ということなのでしょうが相変わらず市場参加者が目先の売買に終始していると言うことなのだと思います。世界的な経済が拡大、企業業績が回復に向かっている過程では、本来であれば、株価も業績を確認しながら右上がりの展開が期待されても良いのではないかと思います。

 それだけ腰の据わった「バイ・アンド・ホールド」と言う投資が少なくなっているということなのでしょうが、このコラムでも何度も述べているように、銘柄を選定しての中長期投資と言うことも考えても良いのではないかと思います。昨年の今頃も同じような話をしたかもしれませんが、3月の配当などもそろそろ考え初めてもいいのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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