インタビュー
» 2011年01月25日 08時00分 公開

カシオの腕時計デザイナーが語る、オシアナス「OCW-T1000」の魅力(3/4 ページ)

[永山昌克,Business Media 誠]

――電子リューズとしてはカシオ初ということですが、リューズを付けて欲しいという要望があったのでしょうか?

藤原 直接的な要望というのはありませんが、オシアナスに限らず従来の電波ソーラーのクロノグラフで「操作が分からなくなってしまった」という声はありました。そういう意味では、例えば、「プッシュすることで、時刻、ストップウオッチ、タイマー、アラームといった機能の切り替えや針の操作ができ、どの状態からでも長押しすることで現在時刻表示に戻る」といった点など、リューズスイッチに主な機能を集約したことによって操作性が簡単になったといえます。

――リューズスイッチのほかにボタンや、裏ブタのデザインなども特徴的ですね

藤原 はい。これは「異形ボタンパイプ」と呼んでいるもので、ボタンの外枠が丸ではなく、四角いものになっています。リューズスイッチだけでなく腕時計の右側面全体で主張したいという狙いがあります。これも初めて採用した、今回のチャレンジの1つといえます。

 裏ブタについては左右対称ではなく、大きなリューズを裏からもガードするような形になっています。当社には、そもそもG-SHOCKに代表される耐衝撃性の伝統があり、とにかく守る、フルガードいう考えがあります。

――文字板のレイアウトもユニークです

藤原 モジュールの設計者や仕様のスタッフと打ち合わせをして、カシオが考える新しいクロノグラフを生み出したいという狙いで、文字盤に2つ目玉のレイアウトを採用しました。インダイアルを縦に配列することで、ほどよく間を持たせながら、表示を上下に集中させています。クロノグラフだけども見やすく、すっきりとしたデザインにまとまったと思います。

OCW-T1000 開発過程でのデザインスケッチ。さまざまなデザインが検討された

――カラーリングには、どんな狙いがありますか?

藤原 カラーリングについては、S1400とは青の使い方を変えようという狙いがあります。S1400では青を装飾的に使っていますが、T1000では意味のある青の使い方をしています。

 つまり、青色のリューズスイッチを押すと、6時位置のインダイヤルにある青い針が動きます。ストップウオッチとして使うときは、先端を青く塗った長針と短針がほかのインデックスよりも青を強調した12時に集結します。ワールドタイムを示す都市コードのまわりにも青いリングがあります。「これを押すとここが動く」ということを感覚的につかめるように、青の使い方に意味を込めたのです。

――そのほかの、デザインの見どころやポイントを教えてください

藤原 時針の太さや長さについては、当初は、昔の機械式のストップウオッチをイメージしてデザインしました。機械式のストップウオッチはかなり繊細で、研ぎ澄まされた目盛りの付け方をしています。そういう点に着目し、参考にしています。

 さらに、各所に斜めの要素を取り入れた「スラントラインデザイン」もポイントです。文字盤の中央からリューズスイッチにかけての流れるようなラインや、ブレスレットのコマにもスラント(斜め)のラインを入れて、時計全体に躍動感を持たせています。

OCW-T1000 開発段階(右)と製品版で、ずいぶん印象が変わった

――個人的には、バックルのデザインが改良されたことが気に入りました。S1400よりも、T1000の大きなバックルのほうが使いやすく感じます

藤原 S1400の場合は、エレガントさを重視してバックル部分はコンパクトにしました。一方、T1000では使い勝手を考えて、大型のプッシュ機構を採用しました。

 ちなみに、ユーザビリティ重視のT1000と、エレガントさ重視のS1400の大きな違いはガラスにもあります。S1400では、視認性を高めるために「デュアルカーブガラス」と呼ぶ表と裏が湾曲したガラスを採用しています。一方、T1000では表面のみがカーブしています。

 また、研磨技術の最高峰といわれる「ザラツ研磨」のつかい方や、ブレスレット部分の作り込みなどにも差があります。こうした違いが、T1000とS1400の価格差として表れています。

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