EU環境首都は人口20万を超える都市を対象として、EU委員会が毎年1都市を選定するコンテストである。制度は2006年に発足し、第1回目の2010年はスウェーデンの首都ストックホルム、第2回目の2011年はハンブルクが栄冠に輝いている。
審査項目は大きく分けて10項目からなる。「気候保護」「交通」「緑地」「大気浄化」「騒音」「ゴミ処理」「上水の消費」「下水」「環境行政」「土地利用」について参加都市を点数化し、その合計点で順位が競われる。ちなみに2011年のコンテストでは、トップのハンブルクが161点、2位(2010年首位)のストックホルムが157点だった。
審査結果から浮き彫りになるハンブルクの長所は「気候保護」「下水」「環境行政」の3点。いずれも最高点を獲得している。
一方、「緑地」「騒音」「土地利用」の3点は平均点を下回り、大きな課題が残されていることが分かる。都市化と工業化が高度に進んだハンブルクは、緑地整備に制限が多く土地利用の自由度が低いというハンディがあるからだ。
いずれにしろ「すべてが満点」という都市はなく、ハンブルクであってもストックホルムであっても必ず長所と短所が混在する。そういった傾向を前提として、それぞれの都市が環境戦略を練ることになる。
上の図の縦軸は獲得点。横軸に並ぶのは10個の審査項目。項目は左から順に「気候保護」「交通」「緑地」「大気浄化」「騒音」「ゴミ処理」「上水の消費」「下水」「環境行政」「土地利用」。
棒グラフの上に書かれているのは最高点を獲得した都市の名。HH(緑)=ハンブルク、Ams=アムステルダム、Sto=ストックホルム、Oslo=オスロ、Kop=コペンハーゲン。北欧の都市、それも港湾都市が多い。
黄色の棒グラフは最高点を獲得した都市の得点、緑はハンブルクの得点、赤は平均点。ハンブルクは3項目で最高点を獲得し3項目で平均点を下回っている。
ストックホルムは4項目で最高得点を獲得しているが、合計点ではハンブルクが4点上回る。
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