「1社が先行すれば、その記事が“デファクトスタンダード化”する。リークに飢えた記者に対し都合の良い情報を植え付ければ、記事は格好の広報文に化ける」――。
筆者はまんまと使われたクチだ。よって偉そうなことを書く資格はない。ただ、このときを境に、リーク情報に接する際はその背後関係を慎重に調べるよう心がけるようになった。
当コラムで度々触れてきたが、日本のメディア界では、あと数日、ときにはあと数時間後で内容が公表される企業の戦略、あるいは国際会議のアジェンダを数多く事前報道することが“スクープ記者”の条件となる。
それだけに、抜かれたあとの追随の速さ、あるいは、特オチの少なさも人事評価の重要なポイントとなっている。
筆者が接したこの大企業だけでなく、広報戦略に長けた多くの企業は、どの情報をどのマスコミに流せば、より効果的にメッセージが消費者に伝わるかを常に考えているのだ。
読者が日ごろ接するスクープには、こんな危うい一面が潜んでいる。
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