3連休を控えて持高調整の売り買いが中心で指数に方向感は見られず清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年02月10日 16時00分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株もまちまちとなったように日本市場も方向感のない展開となりました。朝方は芳しくない機械受注統計を受け、3連休前の手仕舞い売りやオプションSQ(特別清算指数)算出に絡む売りもあり軟調な始まりとなりました。それでも売り急ぐ動きも限られれ底堅く、底堅さが確認されると買戻しを急ぐ動きも見られて今度は堅調となる場面もありました。ただ、3連休を控えた週末ということで、積極的に買い上がる動きもなく、持高調整の買戻しも入って底堅いながらも上値の重い方向感のない展開となりました。

 個別に決算に反応しているようで決算とは関係のないところでの動きとなっていたようです。好決算を発表して大きく買われた後の3連休を控えた週末にもかかわらずトヨタ(7203)は連日の大幅高、昨日の引け後に予想を上回る決算を発表した日産(7201)が売られるなどちぐはぐな動きとなっていました。こうしたちぐはぐな動きとなっていると言うことは目先の材料や方向感で売り買いされているというよりは目先の需給要因だけでの動きなのだと思います。

 日柄を考えて見ても、3連休を控えていると言うこと、3月末の決算のファンドの「45日ルール」の日柄、連休明けから先物取引のシステムと取引時間が変更になること、日銀金融政策決定会合前ということで、これまで買っていたものを売り、売っていたものを買い戻すような動きが出ているのだと思います。最近では時々、そうした目先の需給要因だけで株価が右往左往することも多く、一過性と考えられるのですがあまり目先的な動きに左右されないように「何が起こっているのか」しっかりと把握しておくことは大切だと思います。

 単なる持高調整の売りが出ているだけのであれば、「何が変わった」ということでもないのですから大きく下落となるような場面では買い向かえば良いのでしょうし、買戻しがあって大きく買われるというところでは逆に自分の持ち高を調整するチャンスと言うことになるのだと思います。市場で何が起こっているのかをしっかりと正確に把握しておけば、次に何が起こるのかある程度予測することが出来、自分が何をしなければならないのかが分かるということにつながると思います。何かをしようとし手材料を探すよりも、何をすれば良いのかしっかりと市場の動きを探ることも大切なのだと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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