インタビュー
» 2011年02月18日 08時00分 UPDATE

嶋田淑之の「リーダーは眠らない」:創業1300年! 世界最古の温泉宿に行ってみた――慶雲館52代当主・深澤雄二氏(前編) (5/6)

[嶋田淑之,Business Media 誠]

地産地消にこだわった会席料理

 豊富な湯量の温泉とともに慶雲館のウリになっているのが、地産地消にこだわり抜いた食事。地元・山梨県出身の佐藤眞司料理長(34歳)渾身の作である。慶雲館一筋13年という佐藤さんが語る。

ah_simada9.jpg 地元・山梨県出身の佐藤眞司料理長

 「会席料理ではあるのですが、今の方々の味覚に合うような現代的なセンスを加えるようにしています。といっても国籍不明の料理にはせず、日本ならではの季節感を大切にしつつ、地元山梨にこだわった料理にするよう心がけています」

 山梨にこだわった料理と聞くと、反射的に「ほうとう」「鳥もつ煮」「馬刺し」などをイメージしてしまうし、それにどんな高級温泉宿でも「エビの天ぷら」「マグロの刺身」といったメニューは定番中の定番だと思うのだが……。

 「そういうものはお出ししていません。地元にこだわると言うのは、当館でしか食べることができないような独自性のあるものを極力お出しするということです。また、山梨県が“海なし県”である以上、海のものは出さないようにしているんですよ」(深澤さん)。

 いわゆる地産地消ということだと思うが、食材全体に占める地元山梨産の比率はどのくらいなのだろうか?

 「50〜60%ほどですね。山梨県産でないものを使用する場合も、国産にこだわっています」(佐藤さん)

 それには食の安全を確保するためのトレーサビリティという意味合いもあるのだろうか?

 「はい、もちろんです。お米は県外産(宮城県)ですが、生産農家と直接に契約していますし、使用するすべての野菜や果物についてトレーサビリティはしっかりしています」と佐藤さんが力説する。

 しかし、肉や魚となると、さすがにそれも難しいのでは?

 「肉の場合、例えば牛肉は甲州牛(黒毛和種)のA5ランクとして認められたものをお出ししています。また、魚は茜鱒(アカネマス)や岩魚(イワナ)を使っているのですが、天然物だと安定供給できないので、地元の養殖業者と一緒になって、どうやったら最もおいしく育つかを日々研究し、生きたまま仕入れています」(佐藤さん)

 「養魚場にオゾンを入れたら良いのではないかとか、換水の回数を倍にしてみるとか研究熱心なんですよ」と深澤さんも付け加える。

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