インタビュー
» 2011年02月18日 08時00分 UPDATE

嶋田淑之の「リーダーは眠らない」:創業1300年! 世界最古の温泉宿に行ってみた――慶雲館52代当主・深澤雄二氏(前編) (2/6)

[嶋田淑之,Business Media 誠]

ギネス認定“世界最古”の温泉宿より古く、湯量も世界有数

 慶雲館は創業が西暦705年(飛鳥時代)で、東京商工リサーチ帝国データバンクの調査により日本最古の温泉宿であることが確認されている。

 日本にはギネスブックで「世界最古の温泉宿」として認定された宿(718年創業、石川県・粟津温泉、旅館「法師」)が存在するが、それよりも13年古いという点で、この慶雲館こそが「世界最古の温泉宿」と言っていいだろう。「現在、ギネスブックに申請中で、認められれば今年度版に掲載される見通しです」(深澤さん)※。

ah_simada3.jpg 長寿企業上位10社(出典:帝国データバンク)

 1300年の歴史の中、武田信玄や徳川家康などの戦国武将も愛したという慶雲館であるが、現在の同館の最大の強みは圧倒的な湯量だろう。

 「当館には自家源泉が6本ありまして、全部合わせると、毎分2030リットルのお湯が出ます。その内訳は、1300年前から自然湧出している源泉が5本(合計毎分400リットル)、それに2005年に掘削して掘り当てた源泉が1本(毎分1630リットル)です。

 温泉資源を保護するために、通常はバルブを閉めて、その4分の1の量しか使っていないのですが、それでも、4つの露天風呂、2つの内風呂、2つの部屋付き露天風呂と、すべてのお風呂が源泉かけ流しで飲泉可能です。

 それに加えて、館内すべてのシャワーや給湯もすべて源泉かけ流しで飲泉可能になっており、ここまで徹底しているのは、日本全国で当館だけだと思います」

 自噴する源泉を持つ宿自体が少なくなっている現代日本にあって、毎分2030リットルという量はすさまじい。1本の源泉を1つのお風呂で使用すると仮定すると、その湧出量が毎分50リットルもあれば相当なレベルであることを考えると、館内8つのお風呂で使用するのに本来湧出量は400リットルもあれば十分。普段はバルブを閉めて4分の1の量しか使わないというのもうなずける話だ。

 総務部長の川野健治郎さんが、毎分1630リットル噴出する掘削自噴源泉のバルブを開栓してくれたのだが、源泉がすさまじい勢いで10メートルを超える高さにまで吹き上がり、我々を圧倒した。

ah_simada4.jpg 川野さんがバルブを開栓すると、源泉が勢い良く吹き上がった

 「間欠泉みたいでしょう? 開栓すると虹がキレイにかかるんですよ」とほほえむ川野さん。慶雲館では、この湯量についても現在ギネスブックに申請中とのことで、「世界最古にして世界最多湯量の温泉宿」として、世界に認知されることになるかもしれない。

 ちなみに、筆者も試みに何度か飲泉してみた。「おいしいとは言えないものの、体には良さそうな味」と評すればいいだろうか、かすかに漂う硫黄の香りが印象的だった。

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