第45鉄 時速300kmで夢心地! 新幹線E5系「はやぶさ」試乗会に行ってきた杉山淳一の+R Style(6/7 ページ)

» 2011年02月28日 11時50分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

 時速300kmといえば、日本では山陽新幹線の500系のぞみ、N700系のぞみという先輩がいる。JR東日本には申し訳ないが、車窓のスピード感という意味ではこちらのほうが楽しい。なにしろ山陽新幹線は線路のそばに建物が多いし、山だって線路際に迫るところがある。500系はまさに「全力を振り絞って走る」という感覚だった。N700系は揺れが少なくおとなしい印象ながら、山陽新幹線にアップダウンがある。だから、ときどき浮き上がり沈み込むような上下の揺れがあって、スピードを感じさせてくれた。

 これに対して東北新幹線は勾配が少ないようで、上下方向の揺れもほとんどない。だからかえってスピード感が希薄になる。同じ時速300kmでも、スピード感はかなり違う。E5系「はやぶさ」に、山陽新幹線「のぞみ」のようなスピード感を期待してはいけない。安定していること、快適であること。居眠りしちゃうくらいくつろげること。つまりE5系の目指すところは、時速300kmを出しつつ、それを感じさせない乗り心地なのだろう。

試乗会のオキテその3:報道カメラに要注意

大宮駅に到着。暗い場所でも車体色がきれいだった

 結局、我らがE5系「はやぶさ」も強風の影響を受けたようで、大宮駅には数分遅れて到着した。大宮駅では降車後、アテンダントさんの誘導で改札を出る。なにしろ我々はきっぷを持っていないので、ホームで解散というわけにはいかない。

 階段が混雑しているため、7号車の招待客はホームで少し待たされた。そこに報道陣のカメラが注目、私たちは四方からカメラに囲まれることになった。私たちの列車は試乗会の初日の第1回で「感想を聞くには最適」と、在京キー局にとって都合がよかったらしい。

 私は目立ちたがりだけど、今回はなるべく目立たないようにした。素直に答えると「スピード感はあんまりなかったですね」「意外と揺れました」としか言いようがないし、報道陣の期待通り「速かったです」「ほとんど揺れませんでした」などといえば気持ちに嘘をつくことになる。

 インタビューの主なターゲットは親子連れのようだったけれど、私はそれとなく取材陣から離れるように動き回った。しかしそれが裏目に出てしまったようで、当日夕方から翌朝にかけて、複数の友人から「テレビで見たぞ」とメッセージが……。「うれしそうな笑顔だったよ」とのことだった。

グランクラスの座席(品川駅で撮影)
ダイヤブロックでできたE5系(品川駅で撮影)

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