米国株安に加え原発の爆発や放射能拡散懸念から大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年03月15日 16時00分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 原子力発電所の爆発が止まらないことや米国市場が軟調となったことから売り先行となりました。ただ、寄り付き前に原発に関して新たな爆発が見られたことが嫌気されて、寄り付きの売りが一巡となってもいっこうに売りが止まらず下値を試す動きとなりました。それでも、前場は9000円水準での底堅さも見られましたが、昼の時間帯に放射能の拡散情報が見られ、首相や官房長官の危機を尾あるようなコメントもあり、さらに大きな下落となりました。一時、日経平均は1987年の「ブラックマンデー」に次ぐ下落率となりました。

 原発の爆発が相次ぎ、政府や東京電力(9501)の危機管理能力のなさを露呈することになりました。そして、企業業績が云々というよりはその危機管理能力のなさが日本への投資の危険度を上昇させる結果となり、危険回避のための売りが嵩むことになりました。どの銘柄に売る理由があるとかないとか、そういうことではなく、とにかくこれ以上「リスク」を増やしたくないというような売りが嵩み大きな下げとなりました。

 売りが売りを呼ぶ形でほぼ全面安となりました。慌てて売り急いだあとは目先筋の買戻しも入り、指数も戻りましたが戻りも鈍く、戻りの鈍さが見られると明日までに何が起こるかわからないというような恐怖=リスクを嫌気する動きもあって、売り直されました。ストップ安となる銘柄が多かったこともあり、買戻しも入りましたが、先が見えないことへの恐怖感もあり、再度下げ幅拡大となる場面もありました。

 14時現在で東証一部で値上がり銘柄数が16銘柄しかなく、値下がり銘柄数は1639銘柄となっており、東証のストップ安が739銘柄(14時)ジャスダックでは347銘柄にもなっています。これだけストップ安銘柄が出ると言うことはいくらなら売ると言うことではないわけで、見切売りが中心と見られます。見切売りが嵩むということは逆に言えばそれだけ売りが出切るということであり、売りが出来れば自然と反発となって来るのだと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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