大震災の復興需要期待もあって週末の手仕舞い売りをこなして堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年03月28日 08時37分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>9536.13△101.12

<TOPIX>857.38△3.43

<NYダウ>12220.59△50.03

<NASDAQ>2743.06△6.64

<NY為替>81.36△0.39

GDPの上方修正を好感、大震災の復興需要期待もあって週末の手仕舞い売りをこなして堅調

 日本市場に落ち着きが見られたことや復興需要に対する期待が根強いなかで、GDP(国内総生産)が上方修正となり、前日引け後の好決算の発表などもあいまって堅調となりました。欧州金融不安も中東情勢の緊迫化も、日本の原子力発電所事故も懸念はされるものの、特に材料視されると言うこともなく、商品相場が堅調となったことも信用収縮懸念を薄れさせ、買いが優勢となりました。

 日本の大震災の影響を懸念する動きも一段落となり、今度は復興需要に対する期待も出ているようです。足元の景況感の良さもGDPの上方修正や好調な決算で裏付けされて手仕舞い売りを急ぐと言うよりは買い戻しを急ぐ動きとなったものと思います。引き続き順調な景気回復を織り込みながら強含みの展開が続くものと思われます。インフレ懸念が強まると上値も重くなりそうで、原油価格動向などに敏感な反応となって来るのかもしれません。

 個別には前日の引け後に予想を上回る決算と業績見通しを発表したオラクルが堅調、同様に好調な業績が好感されてアクンセンチュアは大幅高となりました。日本の大震災の影響も織り込みつつあり、アップルやGM(ゼネラル・モーターズ)、IBMも堅調となりました。欧州金融不安も一段落となり、バンク・オブ・アメリカは軟調となったのですが、JPモルガン・チェースは堅調となるなど、金融株にも底堅さは見られました。前日引け後の四半期決算が予想を下回ったRIM(リサーチ・イン・モーション)は大幅下落、HP(ヒューレット・パッカード)も軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は週末の持高調整が中心となりました。前日の米国市場でハイテク銘柄が買われたこともあり、日本市場でもハイテク銘柄を中心に堅調となって指数を押し上げ、大幅高となりました。持高調整の売り買いが中心であり、相変わらず原子力発電所の問題などが気になって、盛り上がりに欠ける展開でしたが、売られ過ぎの修正も含めて買い直されるものもあり、堅調な地合いとなりました。

 米国市場は堅調となり、為替も円安となったのですが、引き続き日本市場は原子力発電所の問題などから上値の重い展開となりそうです。3月期末の最終売買日と言うことで、配当や指数の構成銘柄入れ替えの持ち高調整などの目先の需給要因に振らされることになり、方向感のつかみ難い展開となりそうです。外国人の買いがまだ続くようであれば底堅さも見られるのでしょうが、大震災の影響などもまだまだ織り込み難く、上値は限られそうです。

 引き続き9500円〜600円水準での底堅さを試すのか上値の重さを試すのかわからないような、もみ合いとなるのではないかと思います。9500円〜600円水準を抜けて次の節目と見られる9800円〜900円水準を試すには原子力発電所問題が解決しておらず、下値目処と見られる9200円〜300円水準を試すほどの悪い材料は見られないと言うところではないかと思います。期末要因で目先の需給に振らされるのでしょうが、大きく方向感が見られると言うことでもないと思います。

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