円安への反応はあいかわらず鈍く冴えない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年04月04日 15時59分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9718.89円 △10.50円
売買高 25億3001万株
売買代金 1兆3868億5000万円
値上がり銘柄 541銘柄
値下がり銘柄 1015銘柄
騰落レシオ 99.60% ▼6.74%

日経平均

円安への反応はあいかわらず鈍く冴えない展開

 週末の米国市場が堅調、為替も円安となったことから買い先行となりました。ただ、外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が売り越し(金額は買い越し)と伝えられたこともあり、寄り付きの買いが一巡となった後は円安にも関わらず上値の重い展開となり、指数は小動きとなりました。円安を好感して輸出株の一角や資源株の一角は堅調でしたが、原子力発電所問題が解決しないこともあって「日本売り」の様相を呈し、買い切れないという感じでした。

 後場は一段と上げ幅縮小となりました。改めて大きく売り急ぐような材料が出たと言うことでもなく、案外値持ちも良いのですが円安を好感するでもなく、物色対象も絞り切れず冴えない展開となりました。大震災の影響が読みきれないことや米国の金融緩和の出口戦略や欧州金融不安、中東情勢の緊迫化など、海外でも不透明要因は多く、楽観的に景気回復、景気拡大を織り込むと言う状況にはないと言うことなのだと思います。

 小型銘柄も総じて見ると方向感のない展開です。積極的に買い上がるだけの材料も売り材料も見られず、目先の値動きに連れて右往左往する展開となりました。東証マザーズ指数は大幅安、日経ジャスダック平均は堅調、ジャスダックTOP20は軟調と、まちまちとなりました。先物もまとまった売り買いは少なく、散発的にまとまった売りが見られたのですが特に大きく相場を動かすでもなく、方向感を出すと言うこともありませんでした。

 復興需要や今後復興してから流行りそうだというものは考えられるのですが、果たして今のタイミングで買って良いものかどうかが懸念されるようです。電力供給が足りないことで発電機などの販売は伸びるのでしょうし、節電グッズ、LED(発光ダイオード)なども注目されるのだと思います。いずれにしても、企業業績の拡大を図るためにどんどん輸出を増やすというよりは、まずは「復興需要」が期待されるものと思います。

テクニカル分析

日経平均

 方向感なく小動きとなりました。先週末の値幅の範囲内での動きとなって、手掛かり難と言うことでしょう。ストキャスティックスは高値圏にあって調整を示唆、RSIはまだ上値余地もあって上昇となっており、もうしばらく方向感のない展開が続くのではないかと思います。

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