円高だったが、米国株高や昨日の反動で大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年04月28日 18時18分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国市場が堅調と言うことや円安となったこと、また、外国人が大幅買い越しと伝えられたことから、買い先行となりました。朝方発表された経済指標は大震災の影響が大きくかなり悪いものでしたが、織り込み済みと言うことで特に材料視されることもなく、買い戻しが多かったと言うことでしょう。先物のまとまった買いが見られる場面もありましたが、3連休、ゴールデンウィークを前に手仕舞いの買い戻しを急ぐ動きもあったものと思います。

 大震災の影響で経済指標もかなり悪化しています。決算発表が続々と行われるなかでも大きな影響が見られます。今期(2012年3月期)の見通しについてももちろん慎重な見方が多く、日本経済の先行きに対しても不安が付きまといます。今は製造業の業績などが中心に言われていますが、観光地などかなり悲惨な状況となっているようです。ただ、今の時期は計画停電もなく、まだ余震は続くものの、本来であれば旅行などが多く観光地は賑わうのですが、原子力発電所の問題などもあり、観光客も思ったようには戻らないようです。

 ただ、先日もブルームバーグ・ニューヨーク市長が新聞で述べていたように、「普通に」することが大震災で被災した人や企業への一番の応援になるのではないかと思います。風評被害が起きないように、政府は情報をすべて開示すると言うことも必要でしょう。また、1000円高速を廃止すると言うのも、観光地などへの打撃などを考えると、震災復興にとって逆効果ではないかと思います。高速道路を1000円にすることで、本来50円入る消費税が5000円に増えれば高速道路を高くするよりも経済効果、復興財源にとってはいいのだと思います。

 「電力税」の話もしましたが、消費税を引き上げる、ましてや所得税を引き上げるなどと言うことは愚の骨頂で、それこそ日本は破たんしてしまうのではないかと思います。復興に対する資金も集まらないと思います。消費税を増やすには税率を上げるか消費を増やす、あるいは消費金額を増やすと言うことですから、税率を上げるのではなく消費を増やすことで消費税を増やすと言う発想でなければいけないと思います。増税と言うことになると株式市場もかなり調整が長引くことを懸念しなければならないでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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