好調な雇用統計や週末の買い戻しが入り堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年05月09日 08時31分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9859.20▼145.00

<TOPIX>856.50▼9.05

<NYダウ>12638.74△54.57

<NASDAQ>2827.56△12.84

<NY為替>80.62△0.55

好調な雇用統計や週末の買い戻しが入り堅調

 週末の米国市場は朝方発表された雇用統計で非農業部門従事者数が予想を上回る増加となったことなどが好感されて買われ堅調となりました。先週は芳しくない経済指標の発表を受けて下値を試す動きとなっていたことから、買い戻しに押し上げられて指数は一時大幅高となる場面もありましたが、さすがに週末のヘッジ売りや手仕舞い売りも嵩んで上げ幅を縮小、堅調ながらも上値の重い展開となりました。取りあえず雇用に対する懸念が薄れたことで、買い戻しを急ぐ場面もあったものと思います。

 決算発表も出揃って決して悪い決算や経済指標と言うことではないのですが、QE2(量的緩和)終了後の資金動向や欧州の金融、財政不安もあり、週末に買い上がり難いようです。十分調整した後の好調な経済指標の発表となったのですが、信用収縮の動きもあり、「5月に株を売れ」とばかりに上値の重さが目立ちました。足元の景気回復は確認されるものの、先行きに対する懸念などから目先的な需給の悪化も相まって冴えない展開が続きそうです。

 個別には原油価格の上昇でエクソン・モービルやシェブロンは堅調でしたが、原油先物価格が冴えない動きとなると手仕舞い売りに上げ幅縮小となるなど上値の重い銘柄が目立ちました。好調な業績が期待される銘柄は押し目とあって週末の買い戻しも入り、GE(ゼネラル・エレクトリック)やIBMデュポンやアメリカン・エキスプレス、ボーイングなどは堅調となり、一方で手仕舞い売りに押されてインテルやアップルなどは軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株安や円高に加え、3連休前に大幅高となっていた反動もあって大幅安となりました。海外市場でも商品相場が軟調となるなど信用収縮の動きが見られ、週末の手仕舞い売りも嵩んで大幅下落となりました。ただ、外国人が買い越しと伝えられ、買戻しも見られた事から、指数は底堅さも見られ、寄り付きの売りが一巡となった後は下げ渋りとなり、日中の指数は小動きでした。

 週末の米国市場が底堅く、為替も落ち着いていたことから、週末のヘッジ売りの買い戻しなどから底堅い堅調な展開となりそうです。ただ、決算発表が本格化するなかで今期業績に対して慎重な見方をするものも多く、また、原子力発電所の問題などが復興需要の足を引っ張る可能性も取り沙汰されて来るものと思われ、冴えない展開が続きそうです。幕間つなぎ的に代替エネルギー関連=スマートグリッド関連銘柄などが物色されるのでしょうが、物色対象も絞り難く、値動きの良さについて行くようなことが多くなりそうです。指数全体としては底堅さが見られる一方で上値も重く、方向感に乏しい展開となりそうです。

 日経平均の9800円〜900円水準での底堅さを確認する動きは見られそうですが、まだ9800円〜900円水準での上値の重さを試していると言う見方もできそうです。9800円を大きく割り込む、あるいは9900円を大きく抜けて来ると言うことは見られそうもなく、9800円台後半でのもみ合いとなりそうです。中期的には信用収縮=リスク許容度の低下が続く、つまり商品相場などが冴えない展開となれば下値を試し、リスク資産からの資金の逃避が止まれば、10000円台回復となって来るのだと思います。

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