ちきりん:ある本を読んでいたら、「女性で子ども2人を生んで、きちんと育児休暇をとりたいんだったら公務員もしくは大企業に入れ」と書いてありました。
また「創意工夫が苦手で、言われたことを粛々とやっていく仕事が好きなのであれば公務員か大企業に入れ」とも書いてありました(笑)。
城:ハハハ。
ちきりん:こんなのを読んだら、大企業の就職試験を受けに来る人は「育児休暇がとりたい女性」と「言われたことを粛々とやりたい人」ばかりになるんじゃないの? と思って、笑ってしまいました。こんな本が出るようでは、大企業の人事の方も大変ですね。
城:人事の担当者も疑問に感じているんですよ。「覇気がない」とか「福利厚生のことばかり質問する」といった学生が増えていることに。彼らも人事制度に原因があるということは、分かっている。保守的なことばかりやっている会社に、革新的な考えをもった学生なんて来ないですから。
ちきりん:「保守的な人に、大企業はオススメ」といった考えが一般的なんだから、こぞってそういうタイプの人が受けにくるわけですよね、大企業には。
城:若い人は危機感をもっているケースが多いですね。世代の問題というのはゴールまでの距離でもあります。例えば55歳の人事部長が、何かを変えたいなんて思わないですよ。
ちきりん:来年からもっと正社員採用は少なくなると思いますか?
城:なるでしょうね。厚生労働省が2010年12月に発表した数字を見ると、大学生の就職内定率は68.8%で過去最低の水準でした(参照リンク)。大学生の40万5000人が就職を希望しているのに対し、内定をもらったのは27万9000人。つまり来年の就職活動には12万6000人がなだれ込みます。さらに震災の影響を受け採用人数は減るでしょうから、就職できない学生はますます増えるでしょう。
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