「日本人は勤勉」というが……迷信かもしれないちきりん×城繁幸の会社をちゃかす(7)(3/5 ページ)

» 2011年05月27日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
城繁幸さん

ちきりん:もし半数が就職できない状況になれば、企業もようやく自分たちが、消費市場を壊しているということに気付くのではないでしょうか。

 このまま非正社員が増えていけば、企業の売り上げが減少してしまう。非正社員の人は給料が少ないから、モノを買わないでしょう。クルマを購入できないのは当たり前、服装は上から下まですべてユニクロ、ご飯は300円未満の牛丼、といった感じ。企業側はそういう状況になって初めて自分たちがやっていることに気付くのでしょうか。

城:そのときまでにシステムの問題を誰かが考えてくれたらいいんだけど(笑)。

ちきりん:誰も考えそうもないですね。

城:結局、「中国に行ってしまえばいいや」といった考えで終わってしまう。

ちきりん:企業が中国など海外市場に進出すると、ますます日本での採用人数が減っていく。そのうち日本全体で正社員の方が圧倒的な少数派になって「お前正社員かよ、すげえなあ」と言われたりするかも(笑)。

城:今、韓国が強いですね。労働市場が流動的になって、早期退職もしやすくなった。昔は終身雇用に近い環境だったのに。韓国の動きを見ていると、日本の10年先を歩いているように感じますね。

ちきりん:韓国は貧富の差が大きくて、プチ財閥の息子みたいなのがたくさんいます。社長の息子は兵役を逃れるために、高校生のころから米国に留学します。すると英語がペラペラになるし、米国の市場主義や実力主義を学びます。そうすると「能力のない社員はクビにしてもいいから、利益をもっと上げるべきだ」といった考え方になり、加えて、社長の息子だから会社に戻ればいきなり部長になって、そういう方針で経営をします。結構ドラスティックに変化を起こすわけです。

 あっ、でも、すべて韓国ドラマから学んだことなので現実かどうかはよく分からないのですが。……(笑)。

城:ハハハ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.