週末の手仕舞いの売り買いで方向感に乏しい展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年05月27日 16時38分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株は堅調となったのですが、手仕舞いの買い戻しで上げた面もあり、為替が円高に振れたこともあり、売り先行となりました。それでも外国人も小幅買い越しと伝えられ、売り急ぐほどの円高でもなく、指数は小動きとなりました。後場に堅調となる場面が見られるなど週末の手仕舞い売りと買い戻しが交錯、指数に方向感はみられませんでした。小型銘柄も主力銘柄も目先の需給だけに振らされているような感じでした。

 指数に方向感はなく、物色のテーマもはっきりと見えず、買い手掛かりに乏しい展開です。インターネット証券などが主流となって株式売買のコストが低下したことで、物色テーマなども長続きしなくなった感じです。テーマを探したり、企業業績の分析をする、あるいはチャートの分析をするよりも、目先の値動きについていった方が早いというような感じです。

 このコラムでも何度も述べていますが、人より半歩先に行かないと儲からないということははっきりとしているのですが、どうしても半歩遅れることが多いのではないかと思います。売買コストが低く、半歩遅れても一歩遅れる人がさらに多いから何となく儲かるような気になるのでしょうが、本当に値動きばかりを追って儲かっているという人は少ないのではないかと思います。

 証券会社の数も従業員もかなり少なくなっており、対面での取引などは非常に少なくなっているのではないかと思います。コストの高い従来型の対面の売買では「日計り商い」などは難しく、どうしても人の半歩先、一歩先を行かないと儲からないのです。逆に言えば、従来型の対面営業の視点で、今の相場に合わせて相場や銘柄選定をして行く必要があるということでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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