政局の混迷を嫌気して冴えない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年05月30日 16時18分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9504.97円 ▼16.97円
売買高 13億8093万株
売買代金 9176億8800万円
値上がり銘柄 849銘柄
値下がり銘柄 605銘柄
騰落レシオ 88.23% △5.61%

日経平均

米国市場が3連休となることから様子見気分が強く、政局の混迷を嫌気して冴えない展開

 週末の米国市場は堅調、為替も落ち着いていたのですが、手掛かり難のなかで持高調整の売りもあって軟調となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が売り買いともに少ないながらも売り越しと伝えられたこともあり、軟調な地合いとなりました。原子力発電所事故の問題も毎日日替わりで悪いニュースが聞こえて来るような感じであり、政策の方向性がみえないなかで政局の混迷だけがはっきりとみえると言うことで売り買いともに手控えられて方向感のない展開となりました。

 後場も堅調となる場面もあったのですが、引き続き方向感に乏しい展開となりました。好決算の発表など好材料にしっかりと反応するものもみられるのですが、手仕舞い売りや見切り売りもあって積極的な買いが限られるなかでは軟調な地合いとなりました。原子力発電所事故の問題がいっこうに解決のめどもみられないことや政局の混迷で大震災からの復興もままならず、企業業績の先行きに対する不安が根強いことで買い上がれないと言うことでしょう。米国市場が休場となることも売り買いともに手控えさせる要因となったようです。

 小型銘柄は値動きの良さに連れて幕間つなぎ的に買われるものもみられ、総じて堅調となりました。東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均、ジャスダックTOP20は揃って堅調となりました。先物はまとまった売り買いはほとんどみられず、相変らず方向感に乏しい展開でした。目先的な小口の売買が中心で方向感を持って買い上がる動き、売り叩く動きはなく、終始おとなしい展開が続きました。米国市場が休場と言うことも手控え要因となったものと思います。

 手掛かり難のなか小動きとなりました。先物の売り買いも少なく指数の方向感に乏しく、日本経済の方向が見えない状況で物色意欲もわかないようです。新興国などでも株式市場が冴えない動きとなっており、米国でのQU2(量的緩和)終了での信用余力の縮小を織り込んでいると言うことなのでしょう。日本売りと言うほど為替は円が売られると言うことではないのですが、円キャリー取引の手仕舞いでの円買いと株式の買い戻しが行われているとすれば今後の動向が懸念されます。ただ、ここまですでに外国人の手仕舞いの動きは出ていたものと思われ、上がらないまでも大きく下落と言うことでもないのだと思います。

テクニカル分析

日経平均

 引き続き雲の中で小動きとなっています。遅行線は日々線に絡みながらもみ合いとなっており、RSIは方向感に乏しく、ストキャスティックスは底値圏から反発の兆しもみられ、雲のねじれまでには雲を抜けて強含みの動きとなって来るのでしょう。

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