冴えない展開が続く清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年06月08日 16時15分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株が軟調となったことや為替が円高に振れたことから軟調となりました。ただ、すでに持高調整の売りも一巡となった感もあり、改めて売り急ぐようなこともなく底堅さも見られました。ただ、一方で買い戻し一巡となったことや週末のSQ(特別清算指数)算出を控えて積極的な買い手もみえず、指数は方向感に乏しい展開となりました。

 先日来、証券会社の規制の話などを述べて来ましたが、最近の株式投資と言うのは何をみて売り買いをしているのでしょうか。かつては証券マンが自社の株式部やアナリストなどの推奨した銘柄を勧めてみたり、独自の情報網や研究でピックアップした銘柄を勧めたりし、そして投資家も自分の情報網の一角に証券マンの情報などを組み込んで銘柄を選定するなどと言うことが主体で、「ここだけの話」と言うのも良く聞かれる勧誘の言葉でした。今はアナリストレポートなども充実してはいますが、買いだ売りだと言ってもレポートが出るところがピークとなったりとどうもあてになりません。

 独自の情報網を持って売買している人もいるのでしょうが大半はインターネットで買いだ売りだと騒がれている銘柄に飛び乗ったり、売買高が急激に増えたとか値動きが良いとかそういった銘柄を選定しているのではないかと思います。しかも何カ月も先の話を考えてしっかりと買って持っていると言うよりは「ここから上がる銘柄」を目を皿にして探していると言うことが多いのだと思います。それでいて、バフェットがどうしたとか、そういう話だけは良くみていると言うことなのでしょう。

 本来の株式投資と投機がどうもごちゃまぜになっており、すぐに利益を出せなかったものが投資ですぐに利益を出す、あるいは損切りしたものが投機と言う捉え方になっているのではないかと思います。こうした方向感のない相場のときは「投機」は手控え、投資のタイミングを計るとか、逆に投資のものは特に動かさず、値動きも気にしないで投機に勤しむと言うようにはっきりとしっかりと使い分けをするべきではないかと思います。先物にしてもオプションにしても目的がヘッジなのか投機なのか、それとも裁定取引なのかなど、はっきりとさせる必要があると思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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