米国株安や世界的な景気鈍化懸念から売られて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年06月13日 16時36分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 先週末の米国市場が大幅安となったことや日本市場は堅調な相場展開となった反動などから売り先行となりました。ただ、信用収縮からの手仕舞い売りも一巡感があり、売り急ぐ動きもなく底堅さもみられました。大震災からの復興期待もあるのですが、世界的な景気鈍化懸念や日本でも朝方発表された機械受注が予想を下回るなどまだまだ大震災の影響なども含めて懸念材料が多いということなのでしょう。ただ、逆に芳しくない経済指標などは既に織り込まれているものも多く、相場全体とすれば底堅さもみられると思います。

 東京電力(9501)に続き関西電力(9503)も節電要請をしたということで景気拡大の懸念材料とされていますが、加えて消費増税も取り沙汰されており日本の景気には大きな影響がありそうです。電力設備投資などますます萎縮しそうですし、節電することがお金を使わない=節約することと勘違いしてすべてが萎縮しそうです。もちろんここで無駄な電力を使っていないかどうか、あるいは生活形態を見直すいい機会だと思いますが、政府主導での企業の節電対策には首をかしげてしまうものも多いと思います。

 工場などを順番に土曜日、日曜日に動かすと言うことは理解できますが、私の知人の会社では水曜日を休みにして土曜日に出勤をするということになったそうです。ただし、お金の出し入れは出来ず、顧客対応もしないと言うことで、何だか「本末転倒」それならばいっそのこと週休3日にしてしまった方が電力を使わずにすむし、会社で何もしないで時間を過ごすよりは消費にも貢献するのではないかと思います。PCの電源をこまめに切りましょうなどということも言われていますが、途中退席のたびにOS(基本ソフト)から立ち上げて仕事をしていてはかえって、時間と電気の無駄ではないかと思います。

 消費増税を期待したいのであれば、増税ではなく逆に減税や補助金を出した方が税収は増えるのではないかと思います。消費税を1%上げるということであれば、ただ、単純に考えて売り上げが2割増えれば良いわけです。もちろん売り上げを2割増やすのは簡単ではないですが、初めに増税ありきではなく、税金を増やすにはどうしたらいいかから考えても良いのでしょう。節電でも何度もこのコラムで述べているように照明器具をすべてLED照明に変えてしまえば良いのです。そうすれば、消費税も増えるし、節電も出来る、ということになるのではないでしょうか、LEDの半額補助をしても発電所を作るよりは安く済むのではないでしょうか?

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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