クワドルプル・ウィッチングに絡み乱高下でまちまちの展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年06月17日 08時49分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9411.28▼163.04

<TOPIX>812.41▼12.24

<NYダウ>11961.52△64.25

<NASDAQ>2623.70▼7.76

<NY為替>80.62▼0.33

クワドルプル・ウィッチングに絡み乱高下でまちまちの展開

 引き続きギリシャ問題やQE2(量的緩和)終了での信用収縮の動きがみられる中、新規失業保険申請件数は予想を下回り、住宅着工件数は予想を上回ったことや前日の大幅下落の反動から買い先行となりました。ただ、フィラデルフィア連銀景気指数が予想に反して大幅に悪化したことや先物やオプションなど4つの取引の満期が重なる「クワドルプル・ウィッチング」で指数の振れ幅が大きかったこともあり、ダウ平均も一時軟調となり、ナスダック指数は最後まで戻りきらずに軟調となるなど乱高下となりました。

 ギリシャ問題やQE2終了の影響は懸念されるものの、ある程度織り込みつつあるのではないかと思われます。景況感はたしかに良くないのですが、逆に商品なども含めた相場が軟調なことからっ景況感が悪いというような面もあり、売り急がなければならないほど経済指標は悪くないのではないかと思います。昨日の「クワドルプル・ウィッチング」で目先の需給が整理されたとすると下値を模索しながらも戻りを試す展開となってくるのではないかと思います。

 個別には引け後に決算を発表、6−9月期の見通しが予想を大きく下回ったとしてRIM(リサーチ・イン・モーション)が時間外取引で大きく売られ、52週安値を大きく下回った水準で取引されています。全体に方向感がないなかで、同業種・同系列ないでもまちまちとなり、インテルは変わらず、アップルは安く、IBMは高いという状況です。同様に、景気敏感銘柄でもボーイングやGE(ゼネラル・エレクトリック)が堅調、キャタピラーやアルコアは軟調となり、原油先物が堅調なことからエクソン・モービルなど石油株は高いのですが、金価格が堅調でもパブリック・ゴールドなど金鉱株は安く、ギリシャ問題などがありながらも買戻しも入りバンク・オブ・アメリカは高く、JPモルガン・チェースは軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安を受けて売り先行となりました。ただ、外国人が買い越しと伝えられたことや前日の米国大幅高に付き合わずに大幅下落を先取りするかのように冴えない展開となっていたこともあり、下げ渋る場面もありました。午後になってユーロが売り直されると一段安となり、目先筋の見切り売りも嵩んで大幅安、安値引けとなりました。

 本日も日本市場は米国株の不安定さを受けて、週末ということもあり、軟調な展開となりそうです。為替も円高気味ということもあり、ハイテク銘柄など輸出関連銘柄などには週末の手仕舞い売りや見切り売りも加わり、大きな下げとなるものも見られるかもしれません。昨日の大幅下落の後ということで手仕舞いの買い戻しもみられるかもしれませんが、週末の手仕舞い売りが優勢となりそうです。内需関連銘柄や値動きの良い代替エネルギー関連などの小型銘柄には買われるものもありそうですが、指数を下支えるということもなさそうです。

 9500円〜600円水準での上値の重さを確認するような格好となり、今度は下値を試す動きとなって来るかもしれません。従来から述べているように下値は9200円〜300円水準の節目を試すことになると思われます。週末の手仕舞いの買い戻しなどがあればその前に底堅さもみられるのでしょうが、少なくとも戻りは鈍いのではないかと思われます。当面は9200円〜300円水準での底値を探りながら上値は9500円〜600円水準で押さえられてしまうものと思います。

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