東日本大震災による災害の復興作業が進んでいるが、原子力発電所事故の問題や電力供給の不安、経済への影響など不安要素は山積みだ。自粛ムードなど消費者心理にも影響を与えているが、今後の旅行計画についてどのように考えている人が多いのだろうか。
フォートラベルの調査によると、東日本大震災が今後の旅行計画に影響が「ある」とした人は38.6%と、「ない」とした人の61.4%を下回っていることが分かった。
しかし、「ある」の割合を居住地別にみると、「関東地方」(44.8%)や「東北地方」(41.4%)、「北陸・甲信越地方」(41.4%)では4割を上回っているのに対して、「北海道地方」(26.5%)や「九州・沖縄地方」(25.0%)では3割を切っており、地域によって差が出ているようだ。
フォートラベルでは「震災での被害はもちろん、震災後に行われた計画停電の影響度合いなども旅行計画に関係していそうだ」とコメントしている。
影響があると答えた人にその具体的な内容を聞くと、「行き先選びに変化が出る」が77.3%、「旅行回数を減らす予定」が22.9%、「旅行予算を減らす予定」が11.7%だった。逆に、「旅行回数を増やす予定」(2.8%)や「旅行予算を増やす予定」(1.2%)とした人もいたが、少数派だった。
東日本大震災の被災地となった東北地方への旅行については、「積極的に行きたい」が27.4%と「気が進まない。避けたい」の17.2%を上回った。
だが、実施条件として「原子力発電所の安全が確保されたら」(29.3%)や「余震の可能性が低くなったら」(26.6%)などを挙げる人が多かった。この傾向は、特に小学生以下の子どもがいる人に顕著で、「原子力発電所の安全が確保されたら」が37.9%と、平均より8.6ポイント高くなっていた。
「『ある程度復興したら』を旅の条件に挙げる声も多く、現状では『復興活動の邪魔になりそう』『不謹慎では?』『交通機関がどこまで整っているのか不安』『避難されている方がいる地域に行きづらい』といった声が多かった。東北地方といっても、場所により状況はさまざまだが、その詳細情報が一般に得られにくいことが、躊躇(ちゅうちょ)する要因の1つになっているようだ」(フォートラベル)
インターネットによる調査で、対象はフォートラベル利用者1731人。調査時期は5月。
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