主力銘柄に買い戻しが入り連日の大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年06月22日 16時15分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9629.43円 △169.77円
売買高 19億1193万株
売買代金 1兆2906億4800万円
値上がり銘柄 1465銘柄
値下がり銘柄 136銘柄
騰落レシオ 96.81% △1.09%

日経平均

米国株高を受けて買いが先行、主力銘柄に買い戻しが入り連日の大幅高

 米国株が堅調となったことや為替も落ち着いていたことから買い先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)も買い越しと伝えられ、米ナスダック指数が大幅高となったことなどもあって、寄り付きの買いが一巡となっても値持ちの良い展開が続きました。米FOMC(公開市場員会)を控えていることや昨日の大幅高の反動から上値も限定期的かと思われたのですが、昨日まで売られていた主力銘柄に買い戻しもみられ、ほぼ全面高となりました。世界的な景気鈍化懸念が薄れたわけでもなく、特に材料がみられないなかで値ごろ感からの買いが入り、底堅さが確認されて買い戻しを急ぐ動きとなったものと思います。

 後場も一段高となりました。特に材料がみられたというよりは底堅さを確認して買い戻しを急ぐ動きとなったという感じで、原子力発電所の放射能漏れも政局の混迷も材料視されることなく、買い戻しを急ぐ動きとなりました。為替に大きな動きもなくあくまでも目先の需給要因、米FOMC前に買い戻しておこうということなのか、これまで売られていた主力銘柄を中心に幅広く買われ指数を大きく押し上げました。相場が明らかに転換したというような雰囲気でもなく、売り手控え気分の強いところで買い戻しを急ぐ動きがあって指数を押し上げたという雰囲気でした。

 小型銘柄は総じて堅調なのですが昨日まで高かったような銘柄が「お役ご免」とばかりに手仕舞い売りに押されました。特に材料に反応したということでもなく主力銘柄への乗り換え対象となった銘柄が安いという感じです。東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均、ジャスダックTOP20は揃って堅調となりました。先物も散発的にまとまった買いがみられ、指数を押し上げる場面もあったのですが、売買高を伴って先行きへの相場観で買い上がるというよりは目先の需給要因での買い戻しが中心となっていたものと思われます。オプションのヘッジとしての買いもあったのかもしれません。

 連日の大幅上昇となりましたが相場が転換したというにはまだ早いと思います。米FOMCを前に見切り発車となったということなのでしょうが、本当に米国での金融緩和が継続され、QE2が終了しても景気次第では臨機応変に対処するなどとFRB(連邦準備理事会)議長のコメントを聞いてからでも遅くないと思います。本当にQE2終了後も潤沢な資金供給が行われるのか、景気情勢を見ながら対応できるのかなどを見極めた方が良いでしょう。また、日本でも米国の情勢に反応するだけではなく、政局の混迷を脱して、大震災からの復興の道筋がはっきりと見えてからでも決して遅くはないと思います。

テクニカル分析

日経平均

 雲の中に突っ込んで基準線を抜けて来ました。ただ、まだ遅行線が日々線に上値を押さえられている状況でもあり、RSIもストキャスティックスも中途半端な位置から反発の兆しがみられるにすぎず、まだ基準線のサポートを確認してから本格的に戻りを試す動きとなるのでしょう。雲の下限のサポートを確認しながらの調整となる可能性もありそうです。

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