富士キメラ総研は6月24日、3D関連の世界市場調査結果を発表。テレビやPCモニター、ノートPCなどで利用されるメガネ方式の3Dディスプレイの2011年の市場規模は、数量では前年比555.3%増の3493万台、金額では同491.0%増の1兆2185億円と大幅に伸びる見込みであることが分かった。
メガネ方式では、2010年は数量ベースで98.1%をアクティブメガネ方式※が占めていたが、2011年はパッシブメガネ方式※※が33.2%に急伸する見込み。「パッシブメガネ方式は、アクティブメガネ方式に比べて解像度が落ちるものの、目の疲労を抑制できるほか専用眼鏡を含め低コストであるなどの優位性があり、今後採用が広がる見通し」(富士キメラ総研)
最大市場である3D対応テレビ市場を見ると、2011年は数量では前年比620.9%増の3100万台、金額では同389.1%増の4兆5000億円と拡大する見込み。2010年は『アバター』以降、3D映画のヒット作が続かなかったことや、専用メガネの追加コストやわずらわしさなどから市場規模は限られていたが、2011年は3D非対応テレビとの価格差が縮まったことなどにより拡大している。
台数ベースでみた3Dテレビ率も2010年の2.1%から、2011年には13.9%に増加。2015年には50.0%に達すると予測されている。
デジタルサイネージ(電子看板、参照リンク)やニンテンドー3DSなどで利用される裸眼方式の3Dディスプレイの2011年の市場規模は、数量では前年比4534.0%増の2456万台、金額では同1526.3%増の618億円とメガネ方式以上に伸びる見込み。
富士キメラ総研では「将来的にはテレビやノートPC用途などの中大型ディスプレイでも採用が進み、2015年以降には3Dディスプレイ市場全体でメガネ方式と裸眼方式の構成比(数量ベース)が逆転すると予測される」とコメントしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング