米国株安や先週の株高の反動から大幅安清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年06月27日 15時59分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 先週末は米国株安の割に堅調な相場となりましたが、さすがに連日の米国株安を受けて軟調となりました。先週堅調となっていた値がさハイテク銘柄が手仕舞い売りや見切り売りに押されて軟調となるものが多く、指数を押し下げる展開となりました。それでも、大震災の影響から大きく落ち込むと思われた業績がそれほどでもなさそうだというように、まだまだ売られ過ぎという感も強く、底堅さもみられました。

 6月も最終週ということで、今期業績の見通しも少しは見えて来ました。総じてみると大震災の影響はもちろん否めないものの、「思ったほどではない」というような企業が多く、修正高となるものも散見されます。ただ、一方で復興メリットのある銘柄や節電関連銘柄など実際に業績に寄与しそうな材料があるにもかかわらず冴えない動きとなっているものも多くなっています。復興政策の方向性がいまだにみえないことが見直しにつながらないということでしょう。

 電力不足がいよいよ深刻化しており、節電関連銘柄などもっと注目されていいのではないかと思いますが、少し盛り上がってもなかなか長続きしない感じです。LED(発光ダイオード)照明の話も依然しましたが、15%の節電というのであれば、照明をすべてLEDに換えるだけで達成出来てしまうのではないかと思います。日本中の照明をこの際、補助金でも出してすべてLEDに換えてしまえば一気に節電できる、発電所をいくつも造ったと同じ効果があるのではないかと思います。

 また、事業所の休暇や土曜日の振替出社などもいわれていますが、工場など電気を止めることができないところは土日出社でもいいのでしょうが、普通の事業所(事務所)であれば無駄な残業を止めるだけで15%節電になるのではないかと思います。例えば1日12時間開けている事務所を9時間にするだけで、電気の使用量は25%減ることになります。このように、ちょっとした工夫で節電などは出来るのですから、無理な格好つけるばかりの節電ではなく、無駄を省く節電をしている企業は収益性も向上してくるのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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