連日の値上がりや米3連休を控えた週末で上値も限定的清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年07月01日 16時17分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 米国株が大幅高、外国人売買動向は買い越しということで買い先行となりました。日銀短観の発表も特に材料視されることもなかったですし、中国のPMI(購買担当者景気指数)は芳しくはないものの、不況ということでもなく、取り立てて売り急ぐ材料にもならず、週末の割には値持ちの良い展開となりました。いつものことながら寄り付いた後は大きな動きはなく、堅調なのですが何となく盛り上がりに欠ける状況となっています。今週は指数は堅調、値上がり銘柄数も多いのですが売買高が少ないということや物色対象がテーマなどで絞られていないということで、盛り上がらないのだと思います。

 大震災直後の混乱のなかで先物・オプション取引で大きな痛手を被った証券会社多く、先物・オプションに対する風当たりも強く、また、マスコミ等の報道も先物・オプション=悪というようなイメージに捉えられがちなのではないかと思います。ただ、逆にインターネットで日計り(一日のうちに決済をしてしまう取引)を主体にして、銘柄に特にこだわらないような投資家(投機家?)であれば先物のディーリングなどでの売買を考えてもいいのではないかと思います。もちろん、銘柄との相性や銘柄の特性など、また、先物のディーリングは往々にして「アルゴリズム取引」との戦いとなることが多いなどもネックとなるものもありますし、銘柄選びという楽しみ(?)がなくなってしまうという懸念もあります。

 ただ、先物などは比較的流動性に不安はなく、日計りで考えるのであればリスクも非常に少ないのではないかと思います。もちろん、「夕場」と呼ばれるイブニングセッションの終値と次の日の始値とのギャップが大きいことが多く、いわゆる「オーバーナイト」ということになるとかなりリスクは高いのですが、1日のうちで考えれば比較的リスクは少ないといえるでしょう。そして株券などを担保に売買できるところも多く(弊社もそうです)実際には差金決済と同じような感覚で売買できるという有利さもあります。

 先物の売買で財をなしたというような「ドヤ顔本」が見当たらないことも先物取引を敬遠する理由なのかもしれません。誤発注で大きく儲けたとかストップ高投資法だとか、毎日が給料のFXなどいろいろ気を引きそうなわけのわからない本も出ていますが、システマティックに先物を売買して儲けるというのは可能ではないかと思います。寄り付いてからあまり変化のない相場展開が続いていますが、こうした中でオプションの売りなどはリスクもかなり高いですが、有効な投資法ですし、相場の大きな流れを掴みつつ目先の値動きを取る方法も考えてみてもいいのかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.