金融不安から手仕舞い売りに押され冴えない展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年07月06日 08時33分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9972.46△7.37

<TOPIX>865.18△1.07

<NYダウ>12569.87▼12.90

<NASDAQ>2825.77△9.74

<NY為替>81.07△0.23

景気は底堅いも金融不安から手仕舞い売りに押され冴えない展開

 朝方発表された製造業受注が予想には届かなかったものの2カ月ぶりに増加したことや3連休明けということでヘッジ売りの買戻しなどもあって堅調な展開となりました。先週の大幅高の地合いや「悪くない」経済指標を好感して買いが先行堅調な地合いとなりましたが、ポルトガル国債の格下げのニュースが伝わると金融不安に対する懸念が出て金融株などが売られダウ平均は軟調となりました。ナスダック指数も含めて先週の急騰を受けて手仕舞い売りも嵩んだものと思います。

 QE2(量的緩和)終了を織り込む動きが一段落となった感があります。ポルトガル国債の格下げでダウ平均は軟調となりましたが、そもそもが手仕舞い売り、利益確定売りが出易いという状況であったこともあると思われます。また、ここからは経済指標の発表を見ながら「景気は決して悪くない」ということを確認するような展開になってくるのだと思います。芳しくない経済指標の発表がみられると欧州財政不安=金融不安を取り沙汰して利益確定売り、戻り売りを急ぐことになるのでしょう。

 個別には投資判断の引き下げのあったゼネラルミルズが軟調、原油価格は堅調でしたがパイプ流出事故のあったエクソン・モービルは軟調となり、ポルトガル国債の格下げを受けて銀行株が売られ、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど軟調となりました。金先物価格が大幅高となったことからパブリック・ゴールドやニューモント・マイニングが買われ、経済指標も「悪くない」ことからアップルなども買われましたが、インテルやキャタピラー、GE(ゼネラル・エレクトリック)などの景気敏感銘柄は利益確定売りに押されて軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国市場が休場となったことで手掛かり難のなか、方向感無く小動きとなりました。前日の値幅の中での動きで、売り買い共に決定的な材料にも乏しく、方向感のない展開となりました。それでも外国人は引き続き買い越しと伝えられて、底堅さも見られ、心理的な節目である10000円を意識する水準まで上昇する場面もあり、買戻しや買い直しを急ぐ動きも見られました。

 連休明けの米国市場がまちまち、冴えない展開となったことで日本市場も底堅いながらも冴えない展開となりそうです。心理的な節目となっている日経平均の10000円水準を抜けて上値を追って行くには、材料不足であり、米国の主要な経済指標の発表などを待ちたいということなのだと思います。目先的な過熱感もあり、物色対象も絞りきれないなかでは上値も限定的にならざるを得ないでしょう。また政局の混迷から大震災の復興なども遅れる可能性もありそうです。蓄電池関連や代替エネルギー関連銘柄などが幕間つなぎ的に買われるのではないかと思います。

 引き続き10000円を意識した動きとなりそうです。10000円を抜けたところではさらに買い上がるというよりは売りのタイミングを計るということになるのでしょうし、そうした売りに押される場面では買戻しや出遅れ銘柄を買う動きで指数は底堅くなるのでしょう。節目とみられる水準は10200円〜300円程度と見られ、心理的な節目である10000円水準が一旦は上値となって、9800円〜900円水準での底堅さを確認するような展開だと思います。

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