中国GDPの伸びを好感、QE3期待も強まって堅調な展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年07月14日 08時44分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9963.14△37.22

<TOPIX>860.53△3.34

<NYダウ>12491.61△44.73

<NASDAQ>2796.92△15.01

<NY為替>78.86▼0.33

中国GDPの予想以上の伸びを好感、QE3期待も強まって堅調な展開

 欧州金融不安も一息ついた格好で、中国のインフレ懸念もGDP(国内総生産)が予想を上回る伸びとなったことやQE3(量的緩和)に対する期待も高まり、加えて前日までの大幅下落の反動もあって買い先行、堅調な展開となりました。ただ、相変わらず景気鈍化懸念なども根強いことから手仕舞い売りや見切売りも早め早めに出るといった状況で、引けを意識する時間帯からは売りが嵩み上げ幅縮小となりました。最後は買い戻しも入り堅調な引けとなりました。

 金融不安などが一服となると買戻しも入るのでしょうし、景気鈍化が懸念されると今度はQE3に対する期待が早くも出てくるようです。ただ、欧州金融不安が完全に払拭されたわけでもなく、中国の景気動向もインフレ懸念とのかね合いで反応していかざるを得ず、いずれにしても不安材料はまだまだ多いといえるのでしょう。企業決算の発表などにも敏感な反応が続くのだと思いますが、2つ、3つと好決算でも発表されれば、QE3を催促しなくても堅調な展開となってくるのだと思います。

 個別には金先物価格が高値を更新、大幅高となったことを受けてパブリック・ゴールドやニューモント・マイニングなど金鉱株が高く、原油先物も高かったことでエクソン・モービルなど石油株も堅調となりました。中国の景気鈍化懸念が薄れ世界的な景気鈍化懸念が薄れたことでキャタピラーやアルコア、GE(ゼネラル・エレクトリック)といった景気敏感銘柄が高く、インテルやアップル、IBMといったハイテク銘柄も堅調となりました。銀行株はJPモルガン・チェースやシティグループは堅調となったのですが、バンク・オブ・アメリカが軟調となるなどまちまちとなりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安や円高を受けて売り先行となったものの、前日の大幅下落の反動や中国のGDP(国内総生産)の伸び率が予想を上回ったことなどから、底堅い堅調な展開となりました。特に買い急ぐ動きということでもなく、中国関連銘柄がすべて高いわけでもなく、相変わらず目先の値動きに連れて底堅さも見えたということなのでしょうが、水準としては円高なのですが、円安気味に為替が推移していたことが好感された面もあると思います。

 米国市場は堅調、ユーロも高いということですが、米ドルが安いことや昨日の上昇で米国株高を織り込んでいるということで、本日の日本市場は上値の重い軟調な展開となりそうです。ユーロ高や米QE3に対する期待を好感する動きもあるのでしょうが、米国株安、ユーロ安にもかかわらず昨日の相場が堅調となったことで本日は上値も重そうです。ただ、一方で世界的な景気鈍化懸念も薄れ、欧州金融不安も一段落となり、売り急ぐ動きもないと思われます。ユーロ安を嫌気して売られた精密株などの反発や内需銘柄で出遅れている銘柄を物色する動きになるのでしょう。

 日経平均は昨日同様に9800円〜900円水準の節目を固めるような動きが続くものと思います。再度10000円という心理的な節目を抜けることも期待されますが、目先的な過熱感も強いことから改めて上値を積極的に買い上がるというよりは悪材料に耐性を作るように下値を固めることになりそうです。目先的には9800円〜900円水準では底堅く、10000円を意識すると上値が重い展開が続きそうです。ここで底堅さがみられると当面はは9800円〜900円水準を下値に10200円〜300円を上値とした範囲でのもみ合いが続くのでしょう。

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