足元の好調な決算や経済指標を見直し、大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年07月20日 08時28分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9889.72▼84.75

<TOPIX>853.75▼5.61

<NYダウ>12587.42△202.26

<NASDAQ>2826.52△61.41

<NY為替>79.17△0.13

財政不安の後退で足元の好調な決算や経済指標を見直し、大幅高

 前日の引け後の決算発表や朝方発表された決算に好調なものが多かったことや、住宅着工件数も予想を上回るなど景気鈍化懸念が薄れたことや債務の上限引き上げ問題にも進展が見られたことから大幅高となりました。これまで、QE2(量的緩和)終了での影響や財政問題などで好決算や好調な経済指標に素直な反応とならなかったのですが、目先の懸念が薄れたことや好決算が相次いだことから買戻しを急ぐ動きもあったものと思います。

 2〜3の好調な決算がみられれば戻りを試す展開になるのではないかと述べて来ましたが、ようやく決して悪くはない景気を織り込むような展開になってきたのかもしれません。まだ、まだ決算動向や経済指標に振らされる場面もあるのかもしれませんが、QE2が終了したからといって急激に資金の流動性が細ったと言うことでもなく、センチメントが上向けば業績好調な銘柄を見直す動きになってくるのだと思います。

 個別には前日引け後に予想を上回る好決算を発表したIBMが買われて大幅高、ハイテク銘柄に好調な決算を発表するものがみられて総じて高く、インテルやマイクロソフトも大幅高、アップルも堅調となり、引け後の決算が予想を上回ったとして時間外取引で大幅高となっています。コカ・コーラも予想を上回る決算を発表して買われ大幅高となるなど好調な決算に素直な反応となるものが目立ちました。景気鈍化懸念も薄れたことから、アルコアやキャタピラー、GE(ゼネラル・エレクトリック)といった景気敏感銘柄も高く、金融株も決算が芳しくなかったゴールドマン・サックスなどは軟調となりましたが、JPモルガン・チェースやシティグループは堅調となるなど強含みとなっていました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は連休中の米国市場が軟調となったことなどから売り先行となりました。先週まで買い越し基調とされていた外国人も売り越しと伝えられたこともあり、寄付きからの売りが一巡となっても戻りは鈍く、戻りの鈍さを嫌気した売りに押されて冴えない展開となりました。為替も円高気味となり、輸出株などが売られ、円高となっても「日本買い」ということでもないということで売りが優勢となりました。最後は見切売りも出て下げ幅を広げるという面もあり、終始冴えない展開となりました。

 米国市場が大幅高となったことで日本市場も堅調な展開が期待されます。為替も落ち着いており、外国人が大きく売り越し、これまでの「日本買い」に変化がなければ戻りを試す展開となってくるのでしょう。大震災からの復興も徐々にみえてきており、4−6月期の決算発表の本格化を控えて4−6月期がボトムとの認識で見直し買いが入るかどうかが注目されます。極度な円高懸念が薄れた感が強く、輸出株など昨日売られた銘柄の反動が期待され、内需銘柄なども値持ちの良い展開となりそうです。物色対象が絞りきれず盛り上がらないのかもしれませんが、節電関連銘柄などで値動きのいいものを物色することになるのでしょう。

 日経平均は再度心理的な節目とみられる10000円回復が期待されます。10000円を超えたところからは一旦達成感から上値も重くなると思われますが、9800円〜900円水準での底堅さが確認された格好であり、値持ちの良い展開が期待されます。10000円台で値持ちの良い展開になると、買戻しを急ぐ動きなどで上値の節目である10200円〜300円水準を試すことになるのでしょうが、10000円を超えてからの上値の重さが気になるようであれば、まだまだ9800円〜900円水準での値固めということになるのでしょう。

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