米国株への反応は鈍く、手掛かり難の中、指数は小動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年07月21日 17時33分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株への反応は鈍くなっています。米国企業の決算には反応もみられるのですが、相場全体の方向感に乏しく、物色対象も絞り切れずに目先の値動きに右往左往しているという感じです。大震災からの復興の方向性がみえないこともあって、決算発表が近付き、4−6月期の業績動向もみえて来るなかでも動き切れないということなのだと思います。米国企業の決算も好調なものが多く、日本企業の決算もある程度期待されるということで、売り難く、円高に振れる局面でもこれまでのように円高=輸出株安ということだけでなく、円高=日本買いという図式もみられ積極的に買う動きはないのですが、売り急ぐこともなく指数に方向感がみられません。

 米国株式市場への反応もあまりみられません。さすがに昨日のように大きな上昇や下落には反応するのですが、相場全体の方向感がみられないなかでは反応し難いということなのでしょう。為替への反応も鈍く、円高ということでも輸出企業の採算悪化と同時に「日本買い」がいわれ、また、これまでの「電力不足」「円高」「法人税高」などから海外に出ている企業も多く、反応が鈍くなっていることもあるのだと思います。日本での経済指標への反応も鈍く、個別企業の業績動向には「出尽くし」として反応することも多いなどという状況で、本当に目先の値動きばかりを見ながらの動きとなっているような感じです。

 市況コメントのところでも述べましたが、一日の中での動きを見ていると、買われたから株が上がるのではなく、株が上がるから買われるというようなことが多く、そして2〜3日の動きでみてみると逆に、売られたから買われ、買われたから売られるというようなことになっています。なかには特に理由のないなかで毎日上がり続ける、昔の「仕手株」(懐かしい言葉です)のような動きをするものもみられますが、比較的日替わり的な動きをするものが(特に主力株の中では)多いようです。

 相場がどういう形であれ、その相場に合わせるしか出来ないのですが、目先にバタバタと売り買いが出来る人は値動きの良い銘柄に付く、というのも一つの方法でしょう。ただ、対面営業の証券会社で取引をしているような投資家はじっくりと「待つ」しかないのだと思います。ただ、目先に派手な動きとならなくても、3カ月とか半年でも好業績が期待されるのに上がっていなかったような銘柄を買っておけばしっかりと上がることも多く、焦ることなく決算動向を見ながらじっくりと銘柄を選定しても良いのだと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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