7月23日、JR東日本はAndroid版のモバイルSuicaサービスの提供を開始した。対象となる機種についてはこちらの記事で確認できる。
日本独自の進化を遂げてきたフィーチャーフォン(いわゆる「ケータイ」)は、海外生まれのスマートフォンにはない機能を標準装備している。これまでフィーチャーフォンを使っていたユーザーが、スマートフォンをメインに使おうとするとき、「スマートフォンだとこれができなくなる」という例としてよく挙げられていた機能の代表例が、ワンセグやおサイフケータイだった。国産メーカー製のAndroid端末ではワンセグやFeliCaチップを積んでいるものが多いし、おサイフケータイ向けのサービスも少しずつAndroid対応が進んできている。
その中でおそらく、Android対応が最も待ち望まれていたサービスがJR東日本の「モバイルSuica」ではないだろうか。使い始めると便利で手放せない、という人が多いサービスだ。その一方で「カードタイプのSuicaを使っているから困っていない」という人もいるだろう。しかし、モバイルSuicaにはカードタイプのSuicaにはないさまざまなメリットがある。Android版アプリをインストールする前に、まずはそこから見ていこう。
電車料金や電子マネーを前もってチャージ(入金)しておき、かざして改札を通る……という点だけで見れば、カードタイプのSuicaとモバイルSuicaは機能に大きな違いはない。両者の最大の違いは、携帯電話には通信機能と液晶画面があり、そのために可能になる機能がモバイルSuicaにはある、ということだ。
例えば、Suicaにチャージされている残高を確認したい場合。カードだと自動券売機やコンビニなどを探し、リーダー/ライターにかざさないと分からないが、おサイフケータイであればその場でアプリを立ち上げればすぐに確認できる。ちなみにAndroid版モバイルSuicaにはウィジェット機能が搭載され、フィーチャーフォンのモバイルSuicaアプリよりも素早く残高確認が可能になっている。ホーム画面にウィジェットを表示させておけば、スイカをタップするだけですぐ残金が表示される。
残高確認以上に便利なのが「いつでもどこでもチャージが可能なこと」。Suicaは電車やバスに乗る時だけでなく、電子マネーとしても利用できるのはご存じの通りだが、現在は北海道のKitaca、東海地方のTOICA、関西地方のICOCA、九州のSUGOCA、nimoca、はやかけんなど、全国の多くの鉄道系電子マネーと相互利用が可能になっている(参照記事)ほか、ほとんどの大手コンビニチェーンで利用できる。Suicaは東日本エリアだけでなく、全国で使える電子マネーになりつつあるのだ。
iPhoneなどおサイフケータイに対応していないスマートフォンに、オートチャージ対応のカードタイプSuicaを付けて利用している人をときどき見かけるが、オートチャージされるのは改札を通ったときだけ。バスに乗ったときや電子マネーとして使ったときに残高が設定金額より下になっても、オートチャージ機能は働かない。電子マネーとしてSuicaを使うことが多い人は、やはりカードよりモバイルSuicaで適宜チャージするほうが便利だと筆者は思う※。
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