円高を嫌気して売り直されるお化粧買い期待もあって下げ渋り清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年07月29日 16時07分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株は軟調となり、為替も円高となったことから売り先行となりました。朝方発表された鉱工業生産指数も決して悪くはないのですが、期待されたほどではなかったということも週末の手仕舞い売りを急ぐ展開となりました。ただ、売り一巡後に底堅さがみられると持高調整の買い戻しを急ぐような格好で買いが入り一時堅調となる場面もありました。決算動向に反応しながら週末・月末の思惑もあり、底堅さもみられたのですが、米債務問題等を嫌気する動きも強く、手仕舞い売りに押されました。

 ここのところ週末になると買い戻しを急ぐ動きや持高調整の買いが入り堅調、意外高となることも多かったのですが、本日は月末のお化粧買いも入らず、逆に手仕舞い売りやヘッジ売りが嵩んで軟調となりました。週末にしっかりと持高を持ったまま過ごすというのか大震災以降は懸念されることも多くなりましたが、逆に買い戻しなども多いのかもしれません。

 大震災の時に大きく損をしてしまった人たちの中には先物やオプション、FXの損失が大きかった人たちも多いのではないかと思います。レバレッジが効くということでハイリスク・ハイリターンと言われていますが証拠金以上の損失を被った向きも多く大変なことになりました。こうした事態を避けるために、常に「日計り」と言われるように超短期での売買に徹するという方法もあり、ストップロスの指し値をしておくというのも一つの手かもしれません。

 また、現在筆者が考えているのは「ファンド」を作っての運用をするということです。「匿名投資組合」という形であれば、拠出した金額以上には決してロスをすることはないのですが、儲かるときはレバレッジが効くということも可能だと思うのです。先物やオプション、FXなどを日計りに近い形で運用していけばリスクも限定的で大きな収益を得ることも可能だと思います。もちろん、透明性等の問題をしっかりとクリアしなければなりませんが、一考の余地はあるのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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